・半導体需要の増加に対応、さらなる微細化・高付加価値機種の生産性を強化
シンフォニアテクノロジーの中核事業の一つであるクリーン搬送機器事業は、主力製品であるロードポート(半導体製造装置に材料を供給するインタフェース部分で、装置側を高クリーン度、外側を低クリーン度とすることで、クリーンルーム建設・ランニングコスト等を抑制する効果がある)では、世界No.1のシェアを持ち、主な大手半導体製造装置メーカーに採用されている。
さらに、真空搬送システムやウェーハソータを含めた付加価値の高いEFEM(大気搬送ウェーハロボットを設置し、前面にロードポートを取り付けたモジュール機器)など、製品領域の拡大を進めている。
生産面では、主に国内の豊橋製作所で高付加価値機種の開発と生産、タイの現地法人では従来機の量産を行うなど、国内外で効率的な生産体制の構築を進めてきた。
一方、半導体市場については、米中貿易摩擦などの影響もあり、伸び率が鈍化していたが、昨年後半から一部で復調の兆しが見えてきた。今後、スマートフォンなど携帯端末の高機能化に加え、IoTやAI、自動運転などの次世代技術の普及に向け、拡大基調となると予測されている。
これらの状況から、現中期経営計画(2018~2020年度)では、同事業における売上高を2017年度の132億円から、最終年度の2020年度で200億円以上の達成を目指している。しかし、2007年に建設された現在のクリーン搬送機器工場の生産能力の限界が近づいており、中計の目標達成のためにも工場の拡張が必要となった。
この工場拡張による生産能力の増強やクリーン度アップにより、微細化対応や付加価値が高いEFEMや真空システムの比率アップを進めていく。更には、クリーン搬送技術を応用した、細胞自動培養システムをはじめとする、再生医療関連技術の本格的な開発にも一層注力していく。
<クリーン搬送機器工場、拡張の概要>
所在地:豊橋製作所(愛知県豊橋市三弥町字元屋敷150)
拡張面積:敷地面積約4,000㎡、建屋増築4,180㎡
*既設第1工場(敷地面積約9,000㎡)西側に増設
生産能力(クリーン搬送機器事業・国内外合計):従来 175億円/年 ⇒ 新設後 250億円/年
竣工:2019年12月10日
稼動開始:2020年3月2日
投資金額:約16億円(設備等含む)