kikai-news.net

昭和電工、電子材料用高純度ガス事業で上海第二工場建設を決定

 昭和電工は1月8日、電子材料用高純度ガス事業強化のため、上海にある製造拠点 上海昭和電子化学材料有限公司(以下、SSE)の隣接地に第二工場用地を取得(*)し、高純度N2O(亜酸化窒素)および高純度C4F8(オクタフルオロシクロブタン)の製造設備と、高圧ガス危険物倉庫を建設することを決定したと発表した。第二工場の稼働は2021年下半期の予定。

 高純度N2Oは主に半導体やディスプレイ製造時の酸化膜の酸素源として、高純度C4F8は主にその酸化膜の微細加工(エッチング)などに使用される特殊ガス。第5世代移動通信(5G)など情報通信分野の発展と中国政府による産業育成政策により、中国においては今後も半導体およびディスプレイ市場(有機ELテレビ等)の拡大が見込まれる。

 昭和電工は現在、高純度N2Oは川崎事業所と韓国で、高純度C4F8は川崎事業所と上海(SSE第一工場)で生産しているが、拡大する市場に対し安定供給などの対応力を高めるため、”地産地消”施策をさらに進める。また中国において年々化学品への規制が強化される中、中国上海に自社所有の高圧ガス危険物倉庫を確保・拡充することは、サプライチェーンの強化、競争力の向上に大きく寄与する。昭和電工の持つ製造・品質管理技術を組み合わせ、顧客に最適な供給体制を整えることで、さらに事業を強化していく。

 また、半導体市場は、台湾でも同様に拡大が見込まれるため、昭和電工の現地製造子会社「台湾昭和化学品製造股份有限公司」においても高純度C4F8 年産150トンの製造設備を新設する(2020年春稼働予定)。今回の投資額は、上海・台湾を合わせ、約30億円。

 昭和電工グループは、個性派企業(収益性と安定性を高レベルで維持できる個性派事業の連合体)の実現をVision(目指す姿)としており、電子材料用高純度ガス事業は昭和電工の個性派事業の一つ。今後も品揃え・供給体制を充実させていくことで、世界の電子材料市場の拡大に対応し、さらなる事業競争力・収益性向上を図っていく。

 *用地取得:50年間の土地使用権の取得

<SSE第二工場の概要>

面積:約10,000㎡

建設予定設備:高純度N2O 年産能力1,000トン

高純度C4F8 年産能力600トン

高圧ガス危険物倉庫

稼働開始予定:2021年下半期

 ニュースリリース

モバイルバージョンを終了