苦しいときこそやるべきことをやりきる
新年、明けましておめでとうございます。
当社の業績は、第2四半期時点で、前年同期比減収減益となっており、通期決算見直しをした結果前年比で減収減益の通期予想と大変厳しい状況です。
このような業績となってしまった要因には、米中貿易摩擦や、依然として行き先不透明なブレクジットによる景気の冷え込みによる売上減、ということはたしかにありますが、これらの外部要因は他社にも等しく吹く逆風といえます。
それよりも問題なのは、新製品立ち上げ時の原価計画の未達や、量産開始後の継続的な生産性の向上、間接部門の効率化の遅れと固定費増による体質改善の遅れといった、内部要因が大きなものと考えています。
2020年は日本国内では一大スポーツイベントが開催される一方で、米中貿易摩擦やブレグジットなど、市場環境は不安定で予断を許さない状況が続き、CASEをはじめとした技術ニーズに対応するための研究開発費は増加し、固定費は大幅に増加している状況です。外部要因については、今後どうなるか予測できないところがあるからこそ、自社の体質強化を徹底して行っていきます。
ジェイテクトの前身、光洋精工が電動パワーステアリングの生産を立ち上げてから10年以上赤字が続いていました。しかし、製造工程を見直し、生産性を向上させたことで、EPSは光洋精工の主力製品となり、ジェイテクトとなった後もグローバルでトップシェアを維持し、今や会社の収益を支える大黒柱となっています。その背景にはサイクルタイムをコンマ1秒でも早く、可動率をコンマ1パーセントでも上げる、0.01秒の記録短縮に全精力をかけて取り組む100m走のアスリートのような努力の積み重ねがあったからです。
現状に対し諦めることなく、少しでも改善をと積み重ねることで体質が改善され、競争力を高めてきた輝かしい歴史は前身の光洋精工、豊田工機そして合併後のジェイテクトの中にいくつもあります。この難局もJTEKT WAYのもと、全社一丸となって乗り越えていきたいと考えています。
最後に、本年も、皆様とご家族にとって素晴らしい1年でありますように心から祈念し、私の新年の挨拶とさせていただきます。