新設製造棟では、これまでの量産実績に基づくノウハウを集約し、「生産タクトの高速化」や「省人化ラインの構築」を実現することで、低コストでの生産を目指す。また、製造棟の稼働により、今後は、すでに稼働している伊勢工場と大館工場(秋田県大館市)のプレフィルドシリンジ製造ラインに加え、さらなる生産拠点の分散化による危機管理および安定供給体制の強化を図っていく。
医療事故の防止や医療従事者の省力化に寄与することから、近年、医療現場においてプレフィルドシリンジ製剤の採用が進んでいる。ニプログループの医薬事業は、医薬品の開発から製剤製造、検査包装、物流までを受託するCDMO事業およびジェネリック医薬品の製造販売を主としており、プレフィルドシリンジ製剤の生産能力を引き上げることで、国が進めるジェネリック医薬品の普及促進策(※2)に応じるほか、医薬品製造に係るアウトソーシング需要も取り込んでいる。
<プレフィルドシリンジ製剤製造棟の概要>
名称:ニプロファーマ株式会社 伊勢工場 プレフィルドシリンジ製剤製造棟
所在地:三重県松阪市嬉野天花寺町647番地236 ニプロファーマ 伊勢工場内
建物構造:鉄骨造 2階建て
建築面積:約3,450㎡
延床面積:約6,900㎡
総投資額:約160億円
生産品目:プレフィルドシリンジ製剤
稼働開始:2023年2月(予定)
※1 プレフィルドシリンジ製剤:シリンジ容器に予め薬液を充填したキット製剤。メリットとしては、医療従事者の感染リスクの軽減、医療事故の防止、医療現場における作業の効率化などが挙げられる。
※2 ジェネリック医薬品の普及促進策:2018 年度から2020 年度末までの間のなるべく早い時期にジェネリック医薬品の数量シェアを80%以上とするもの(2015 年6 月に閣議決定)