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国際協力銀行(JBIC)、モロッコ王国タザ陸上風力発電事業に対するプロジェクトファイナンス

・質高インフラ環境成長ファシリティの一環として、日本企業によるアフリカの再生可能エネルギー発電事業への参画を支援

 2019年12月23日

 国際協力銀行(JBIC)は、20日、「質高インフラ環境成長ファシリティ」(以下QI-ESG )の一環として、三井物産等が出資するモロッコ法人Parc Eolien de Taza SA(以下PETS)との間で、モロッコのタザ陸上風力発電事業を対象として、融資金額約44百万ユーロ(JBIC分)を限度とするプロジェクトファイナンスによる貸付契約を締結した。融資は、三井住友銀行、三菱UFJ銀行及びモロッコの商業銀行であるBanque Marocaine du Commerce Extérieurとの協調融資によるものであり、協調融資総額は約113百万ユーロ。民間金融機関の融資の一部に対し、日本貿易保険(NEXI)による保険が付される。

 プロジェクトは、PETSがモロッコ北部のタザ州において、発電能力87.21MWの陸上風力発電所を建設・所有・運営し、完工後20年にわたり、モロッコ電力・水公社(Office National de l’Electricité et de l’Eau Potable)に売電するもの。JBICとして初のモロッコ向け再生可能エネルギー発電事業案件であり、アフリカ地域におけるQI-ESGの第1号案件となる。

 モロッコでは、発電容量に占める再生可能エネルギー比率を2030年までに52%とする目標を掲げているところ、今回の案件は、こうした同国政府の電力政策にも沿うもの。また、日本企業にとって事業経験の少ないアフリカでの再生可能エネルギー事業を支援することを通じ、同分野における日本企業の国際競争力の維持・向上にも資するもの。

 日本政府は、2019年6月に改訂した「インフラシステム輸出戦略」において、インフラの設計・建設・運営・管理を含むシステムの受注や現地での事業投資の拡大の推進を表明している。また、パリ協定を踏まえ、世界の脱炭素化をリードしていくため、相手国のニーズに応じ、再生可能エネルギー等を含めた「低炭素型インフラ輸出」を積極的に推進する方針を掲げている。この案件は、これらの日本政府の施策にも合致するもの。

 2019年8月の第7回アフリカ開発会議(TICAD7)において、アフリカの産業の多角化及び連結性強化に向けた質の高いインフラ投資が重要なテーマとして取り上げられ、日本政府は官民協力の上、アフリカ地域への支援を継続する方針。JBICは、TICAD7の機会を捉え、「JBICアフリカ貿易投資促進ファシリティ」(通称「FAITH」)を更新し、FAITH3 を創設しており、同案件はFAITH3のもとでの初の再生可能エネルギー事業案件となる。

 JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じ、日本企業による海外インフラ事業展開を金融面から支援していく。

 ニュースリリース

 

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