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デンソーウェーブとベッコフオートメーション、ファームウェアでも提供できる新コンセプトのロボットコントローラー「RC 9」を発表

・筐体に依存しない自由度の高いロボットシステム構築を実現

   ㈱デンソーウェーブ(本社:愛知県知多郡阿久比町)とベッコフオートメーション(本社:神奈川県横浜市)は12月13日、新しいコンセプトのロボットコントローラー「RC9(アールシーナイン)」を開発したと発表した。RC9は、新型産業用ロボット「VMシリーズ」「VLシリーズ」から採用され、今後発売される製品にも順次搭載していく。

 RC9はこれまでハードウェアで提供されていたロボットコントローラーの概念を見直し、産業用ロボットで初めてファームウェアでも提供できる新しいコンセプトのロボットコントローラー。この製品は12月18日(水)から東京ビッグサイトで開催される「2019国際ロボット展」で初出展され、2020年7月から発売する。 なお、12月18日(水)14時30分からは、2019国際ロボット展デンソーウェーブブースで開発に携わったデンソーウェーブ・ベッコフオートメーションの代表者が登壇する特別プレゼンテーションを開催する。

 近年、ロボット活用の場面は多様化されている。これまでユーザーおよびシステムインテグレーター各社はロボットメーカー各社の機能や環境に合わせて設備開発を進めざるを得ない中、デンソーウェーブは従来からオープンアーキテクチャを追求することで、数々の開発環境の提供を行い、多様化された顧客ニーズに対応してきた。その中でも、これまではリアルタイム性の担保に課題があり、設備内のPLC、ドライバや複数ロボットの制御には、それぞれがコントローラーを必要とするクローズ型のシステム構成で対応せざるを得なかった。

 こうした中、今回、RC9は産業用パソコン(IPC)にインストールもできるファームウェアとして開発された。ベッコフオートメーション製のIPCをロボットコントローラーに採用することでTwinCATによるリアルタイム性を担保できることになり、更なるオープン性とロボットシステムの拡張性を獲得し、設備のマスターコントローラーとして開発環境の統合を実現した。さらに、アプリケーションごとに最適な仕様のIPCを選択できるため、さまざまなニーズに応えられる。RC9の開発にあたり、両社の代表は以下のように述べている。

■デンソーウェーブ:中川社長

 2006年にORiN2をリリースして以来、ORiN2を軸にオープン性、統合制御を強みに製品展開してきましたが、この度発表したRC9は、今までの強みを進化させるべく、特定の筐体に依存しない、TwinCATをリアルタイム層に持つファームウェアです。このファームウェアは、ベッコフオートメーションが提供する多様なIPCに搭載することができるため、アプリケーションごとに最適なロボットコントローラーを構築することができます。ロボットユーザーの裾野が広がり、産業用ロボットは「コスト重視から高付加価値重視」、「単純なアプリケーションから複雑なアプリケーション」とお客様の要求の多様化が広がり続けていますが、RC9によって、様々なニーズに応える準備が整いました。今後リリースするロボットシステムにはRC9を搭載していき、ロボットシステムの最適化、基本性能の向上、そして簡単化の追求をしていきます。

■ベッコフオートメーション:川野社長

 ベッコフオートメーションはPC制御を専業とするドイツの制御機器メーカです。当社の二つのコアテクノロジであるEtherCAT(高速な産業用イーサネット規格)とTwinCAT(拡張性の高いリアルタイム制御ソフトウェア)をデンソーウェーブが次世代ロボットコントローラーRC9のベースアーキテクチャとして採用したことは、専用品が前提の産業用ロボット業界の常識を塗り替える象徴的な判断と言えるでしょう。汎用技術の拡張性を最大限に活かしたRC9 は、オープンなシステム開発環境を必要としているロボットユーザーやシステムインテグレーターのニーズに直接応えるソリューションとなることを確信しています。当社はデンソーウェーブとのパートナーシップを礎に、制御技術の民主化に引き続き貢献していきます。

 RC9は、東京ビッグサイトで2019年12月18日(水)から開催される「2019国際ロボット展」のデンソーウェーブブースに出展する。ブース内では、RC9で統合制御された生産ラインを展示する。

 デンソーウェーブはこれからも、ロボットに携わるすべての設計者・技能者・保全者・操作者に対して必要な機能を最適に提供し、快適なロボット環境の構築に貢献していく。

 ニュースリリース

 

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