近年、工場や倉庫などの省力・省人化のため、AGVなどの自律移動ロボットの導入が進んでいるが、人やモノが煩雑に動き回りレイアウトが動的に変化する現場や、物流量の変動により時々刻々と業務状況が変化する現場に、柔軟に対応することが難しく、期待する効果が得られないという課題があった。また、業務内容に合わせて複数台・複数タイプの自律移動ロボットを運用するためには煩雑な管理が必要という課題もあった。
NECは、これらの課題を解決するため、「NECマルチロボットコントローラ」を販売開始する。同製品は、自律移動ロボットの走行経路を算出するNEC独自の機能をはじめ、多種多様な自律移動ロボットを集中制御できる機能を有している。これにより、種類や用途の異なる自律移動ロボットを同じシステム上で集中制御でき、自律移動ロボットによる搬送業務の効率化や安全な運用を実現する。
また、自律移動ロボットの導入を進めるには、システム全体の安定性やセキュリティの確保が必要となる。NECは、現場で利用される無線通信を安定化する技術や、現場に配備するデバイスやロボットなどの乗っ取り・なりすましを防ぐIoTセキュリティ製品と同製品を組み合わせることによりシステム全体に高い堅牢性を提供し、顧客の現場革新へ貢献する。
今回、同製品に対応する自律移動ロボットの第一弾として、不整地などでの高い走破性を誇るトピー工業のクローラタイプ走行ロボットへの採用が決定した。今年10月からトピー工業で実施している実証実験終了後、2020年2月から提供する。今後、AGV以外にも自動フォークリフトや点検・警備ロボットなど様々な自律移動ロボットへの対応を進め、ラインナップを強化していく。
NECは、同製品を製造・物流業などを中心に、今後3年間で工場・倉庫・物流施設など300拠点に導入することを見込んでいる。
なお、NECは本製品を「2019国際ロボット展」のトピー工業ブース内(会期:2019年12月18日(水)~12月21日(土)、会場:東京ビッグサイト)で紹介する。
NECは、2020年度までの3カ年の中期経営計画「2020中期経営計画」のもと、AI・IoT、ネットワークサービスなどの先進技術を活用し、今後も製造業のものづくり現場とデジタルとを融合して多様化するニーズに対応し、強いものづくり経営や新しいサービスビジネスの創出に取り組む。これにより人やモノ、プロセスの情報・状態をバリューチェーン全体で共有し、新たな価値を生み出す「NEC Value Chain Innovation」を顧客と共に実現していく。
詳細は→ ニュースリリース