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国際協力銀行(JBIC)、カタール国Facility D天然ガス火力発電・淡水化事業(増設プロジェクト)にプロジェクトファイナンス

・質高インフラ環境成長ファシリティの一環として、日本企業による海外IWPP事業を支援

 国際協力銀行(JBIC)は11月19日、「質高インフラ環境成長ファシリティ」(QI-ESG) の一環として、カタール国(以下「カタール」)法人Umm Al Houl Power(以下「UHP」)との間で、Facility D 天然ガス火力発電・淡水化事業 の増設プロジェクトを対象として、融資金額約194百万米ドル(JBIC分)を限度とするプロジェクトファイナンス による貸付契約を18日に締結したと発表した。融資は、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行、農林中央金庫及びKfW IPEX銀行との協調融資によるもので、協調融資総額は約389百万米ドル。


 三菱商事及び㈱JERAが、カタール石油公社(Qatar Petroleum)、カタール発電造水会社(Qatar Electricity & Water Company Q.S.C.)及びカタール財団(Qatar Foundation for Education, Science and Community Development)と共に設立したUHPは、カタールの首都ドーハ南方に位置するQatar Economic Zone 3隣接地に、発電能力約2,520MW及び淡水化能力約62万立方メートル/日の天然ガス焚き複合火力発電・淡水化プラントを保有している。

 今回の契約は、当該サイト内に、淡水化能力約28万立方メートル/日の淡水化プラントを増設の上、既設プラントと一体として運営し(BOOT方式*4 )、既設プラントの完工後25年間に亘りカタール電力・水公社(Qatar General Electricity and Water Corporation)に売水するもの。
 
 融資は、三菱商事及びJERAがこれまで国内外で培ったノウハウを活かし、カタールで実施するIWPP*5 事業の淡水化プラントの増設を支援するものであり、日本企業が出資者として事業参画し、長期に亘り運営・管理に携わる海外インフラ事業を金融面から支援することで、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するもの。

 日本政府は、2019年6月に改訂した「インフラシステム輸出戦略」において、インフラの設計・建設・運営・管理を含むシステムの受注や現地での事業投資の拡大の推進を表明している。また、2018年7月に発表した「エネルギー基本計画」において、政策金融を活用した事業における日本のユーティリティ企業等の参入促進を通じたエネルギー産業の国際競争力強化及び国際展開の推進を掲げている。融資はこれらの政府の施策に合致するもの。

 カタールでは、経済発展等を背景に、水需要が増加傾向にある。そのような状況下、同プロジェクトでは既設プラントと同様に、日本企業の逆浸透膜方式の淡水化設備が用いられる予定であるところ、同プロジェクトには日本企業の有する環境技術も活用しつつ、同国における主要な水供給源として重要な役割を果たすことが期待される。また、カタールは世界有数の天然ガス産出国であり、日本にとって重要なLNG輸入先の一つ。融資は、日本と同国との更なる重層的な経済関係強化にも貢献するもの。

 .JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じ、民間金融機関等とも連携しながら日本企業による海外インフラ事業展開を金融面から支援していきます。

 ニュースリリース

 

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