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加藤製作所、2019年4~9月期売上は1%減の419億円、通期は830億円に下方修正

 ㈱加藤製作所が11月11日に発表した2020年3月期第2四半期連結累計期間(4~9月)の売上高は418 億8,900万円(前年同期比99.1%)となり前年同期を下回った。損益については、製品ミックスの変化及び生産体制再構築のための工場移転作業の影響並びに工場の改修、増設による減価償却費の増加により原価率が悪化し、営業利益6 億8,600万円(前年同期比26.5%)、経常利益4 億3,200万円(前年同期比14.1%)、親会社株主に帰属する四半期純損失は5,100万円(前年同期は+20 億800万円)となった。

 4~9月期における国内経済は、雇用環境の改善を背景に、景気は緩やかな回復基調にあるものの、東南アジアや中東などを中心とした外需の低迷により輸出が伸び悩んでいる。また、米中貿易摩擦の長期化で中国経済は内需の低迷に加え、周辺諸国の経済にもその影響は拡大し、海外経済は依然として不透明感が続いている。

 このような状況下、加藤製作所グループは、横浜工場の生産機能を群馬工場へ移転し、生産体制の再構築を行っている。また、新設された坂東工場への国内各工場からの補修用部品の移動も8月末に完了し、部品供給体制の効率化を図っている。

 なお、非連結子会社であったKATO IMER S.p.A.とKATO EUROPE B.V.は、重要性が増したことにより第1四半期連結会計期間より連結の範囲に含めている。

加藤製作所2020年3月期第2四半期データ

■セグメント別の状況

<日 本>

 国内向けの建設用クレーンは、構造規格の変更によるモデルチェンジ前の駆け込み需要があり売上高は増加したものの、海外向けの建設用クレーンは、中国経済低迷の影響により、インドネシア、マレーシアなど東南アジアを中心に売上高は減少した。

 油圧ショベル等は、国内向けレンタル会社の需要が増え、売上高は増加したものの、海外向けは工場移転に伴い一部製品に生産遅れが発生したことにより、売上高は減少した。

 日本の売上高は370 億8,600万円(前年同期比100.4%)となり、セグメント損失は6,600 百万円(前年同期は+12 億7,400万円)となった。

<中 国>

 中国の油圧ショベル等は、中国の経済成長の低迷によりインフラ投資の減少が見られ、売上高は大幅に減少した。

 中国の売上高は48 億5,100万円(前年同期比68.5%)となり、セグメント利益は8 億2,900万円(前年同期比65.2%)となった。

<その他>

 トラッククレーンを製造販売しているKATO WORKS(THAILAND)CO.,LTD.の売上高は増加した。また、連結子会社としてミニショベル等を製造販売しているKATO IMER S.p.A.及び建設用クレーンや油圧ショベル等を販売するKATO EUROPE B.V.を加えたことにより、その他の売上高は22 億2,800万円(前年同期比513.7%)となり、セグメント損失は3 億700万円(前年同期はセグメント損失1 億2,500万円)となった。

■主要品目別売上高の状況

<建設用クレーン>

 国内は、オペレーター不足や中古市場の低迷が続いているが、構造規格の変更によるモデルチェンジ前の駆け込み需要が増加したことにより、売上高は増加した。国内建設用クレーンの売上高は239 億7,100万円(前年同期比111.6%)となった。

 海外は、中国経済低迷の影響により、インドネシア、マレーシアなど東南アジアを中心に、売上高が大幅な減少となった。海外建設用クレーンの売上高は28 億400万円(前年同期比73.0%)となった。よって、建設用クレーンの売上高は267 億7,600万円(前年同期比105.7%)となった。

<油圧ショベル等>

 国内は、レンタル会社の需要が増えて、売上高は増加した。国内油圧ショベル等の売上高は64 億5,100万円(前年同期比102.1%)となった。海外は、中国経済低迷の影響によりインフラ投資の減少が見られた。

 また、工場移転に伴い一部製品に生産遅れが発生したことにより、海外油圧ショベル等の売上高は82 億4,300万円(前年同期比81.1%)となった。よって、油圧ショベル等の売上高は146 億9,500万円(前年同期比89.2%)となった。

<その他>

 その他製品は、路面清掃車や万能吸引車等の売上高が前年同期並みとなり、その他の売上高は4 億1,800万円(前年同期比87.5%)となった。

■2020年3月期の見通しを修正

 通期業績予想については、下期も引き続き外部環境の不透明感から需要は想定より弱含み、中国経済低迷の影響により東南アジアの売上高の減少が見込まれるため、4~9月期までの売上高の減少を補う事は出来ず、前回予想を下回る見込みとなった。

 利益は、売上高の減少に加え、海外子会社の販売促進費の増加が見込まれており、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益の各項目において前回予想を下回る見込みとなった。これらを踏まえ2019年5月14日に公表した2020年3月期第2四半期連結業績予想及び通期連結業績予想を11月8日に以下の通り修正した。

 2020年3月期連結業績予想は、売上高830億円(前回予想:870億円)、営業利益14億円(同:26億円)、経常利益11億円(同:27億円)、親会社株主に帰属する当期利益4億円(同:15億円)。

 加藤製作所の2020年3月期第2四半期決算短信

 第2四半期決算説明資料

 

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