kikai-news.net

酒井重工、2019年4~9月売上5.7%減の121億円、通期見通しは前期比5%減の235億円に修正

 酒井重工業が11月8日に発表した2020年3月期第2四半期連結累計期間(4~9月)連結業績によると、売上高は、国内販売が好調に推移したものの海外販売が大きく落ち込み、前年同期比5.7%減の120億9,000万円となった。利益面では、売上高の減少の結果、営業利益は前年同期比29.3%減の7億円、経常利益は同26.3%減の6億3,000万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同17.3%減の3億9,000万円となった。

 4~9月における事業環境は、国内経済が堅調に推移したものの、米中貿易摩擦の長期化に伴う世界経済の減速が進むと共に、米中冷戦構造を軸とした地政学情勢の緊迫化、テクノロジー革命に伴う産業構造変化の急進など、世界の政治、経済、技術情勢が大きく変化する中で推移した。酒井重工業グループでは、市場変化への対応を進めると共に、新たな事業環境における成長基盤づくりに注力した。

酒井重工業2020年3月期第2四半期データ

■連結地域区分別売上高状況

 国内向け売上高は、排ガス規制特需の反動減が解消すると共に、道路維持補修機械の販売が好調に推移し、前年同期比42.9%増の73億6,000万円となった。

 海外向け売上高は、アジア・新興国向け販売が大幅に落ち込み、前年同期比38.3%減の47億3,000万円となった。

 北米向け売上高は、建設投資が堅調に推移しているものの需要がピークアウトし、前年同期比9.2%減の22億円となった。

 アジア向け売上高は、インドネシア、タイなど主要市場において経済情勢悪化と選挙の影響で需要が停滞し、同51.6%減の22億2,000万円となった。

 中近東・ロシアCIS向け売上高は、不安定な地域情勢が続く中で販売停滞が続き、同55.5%減の4,000万円となった。

 その他市場向け売上高は、オセアニア、中南米、アフリカともに、不安定な経済情勢の中で販売が振るわず、同52.8%減の2億6,000万円となった。

■セグメント業績

<日 本>

 国内販売が好調に推移した結果、総売上高は前年同期比1.6%増の101億4,000万円、営業利益は同4.4倍の4億8,000万円となった。

<海 外>

 米国では、需要が調整局面に入る中、総売上高は前年同期比10.3%減の22億2,000万円、営業利益は中国工場から米国工場への生産移管に伴う原価上昇の結果、同71.8%減の6,000万円となった。

 インドネシアでは、国内及び第三国向け販売が共に停滞し、総売上高は前年同期比57.2%減の17億1,000万円、営業利益は同85.0%減の9,000万円となった。

 中国では、北米輸出を縮小させる一方で国内販売を拡大させた結果、総売上高は前年同期比36.7%減の5億7,000万円ながら、営業利益は同5.4倍の2,000万円となった。

■2020年3月期の連結業績予想

 今後国内では、総額 7兆円の国土強靭化計画に加え、度重なる自然災害に対して防災インフラ整備が強化される見通しで、政府建設投資の底上げによる底堅い事業環境が続くものと予想される。海外では、世界経済の減速が進む一方で、欧米や中国において金融緩和とインフラ投資による景気刺激策が動き始め、東南アジア諸国でもまだら模様ながら経済情勢に底入れの兆しが見えてきたことから、当面は一進一退を繰り返しつつ徐々に回復に向かうものと期待している。

 このような見通しにおいて酒井重工業グループでは、変化を大前提とした事業経営と、海外事業と次世代事業による中長期成長戦略を基本とし、需要変化対応力の強化、米中対立に伴う米国事業と中国事業の収益構造改革、新技術活用による次世代事業の開発、組織能力のバージョンアップ投資など、変化対応と成長戦略を積極的に推進し、新たな事業環境における成長基盤を固めていく。

 2020年3月期の連結業績は、売上高235億円(前回予想:265億6,000万円)、営業利益10億5,000万円(同:14億円)、経常利益8億5,000万円(同:11億8,000万円)、親会社株主に帰属する当期純利益5億5,000万円(同:8億3,000万円)と修正した。

 酒井重工業の2020年3月期第2四半期決算短信

 

モバイルバージョンを終了