中国市場は足元で低迷が続くも、中長期的に拡大が見込まれている。特に、人件費の上昇など産業構造の変化により自動化や省人化の対応が求められ、付加価値の高い日本メーカーの工作機械へのニーズは高まっている。また、中国政府は、製造業の高度化を目指しており、今後中国市場では、大手企業の大口案件の増加も見込まれる。
現在の工場敷地は拡張性がないことから、近隣の土地を購入し、新たに工場を建設する。新工場の延床面積は、現工場の約3倍の広さがあり、生産能力は現在の倍増となる月産最大350台を予定している。生産工程の自動化を推進するほか、工程進捗や設備稼働状況を可視化するシステムを導入し、生産能力の増強とともにスマート化による生産性向上を進めたモノづくりを目指す。
また、ショールームもこれまでの倍のスペースとなり、来社される顧客はテストカットなど実際に加工している様子を見ることができる。このほか従業員の福利厚生向けに、工場敷地内へのスポーツジムやバスケットコートの設置、2棟の社員寮建設など、従業員が働きやすい環境を整える。
新工場の建設に合わせて、対象加工径がφ1~42mmという幅広い商品ラインアップや、独自の加工技術、IoTソリューションなどの特長を訴求して、販売の拡大を目指す。
<新工場概要>
所在地:山東省淄博市周村区丝绸路以东 (現工場から3.4km、車で5分程度の距離)
敷地面積:67,600㎡
延床面積:34,200㎡(工場)、7,600㎡(社員寮)
竣工・稼働開始:2021年2月
従業員数:362人(2019年10月現在)
総投資額:約30億円(推定)
<西鉄城(中国)精密机械有限公司について>
2005年に前身の西鉄城(淄博)精密机械有限公司(CITIZEN ZIBO PRECISION MACHINERY CO., LTD.)を設立。電装ケーブル生産から始め、部品加工、制御盤生産と生産・加工を順次拡大、2008年7月からCNC自動旋盤の本体生産を開始した。2011年4月に西鉄城精機貿易(上海)及び、宮野机床貿易(上海)を吸収合併し、西鉄城(中国)精密机機に社名変更後は、中国市場向け製品の製造・販売・サービスを行っており、中国工場での累計生産台数が2019年9月に1万台を突破した。
画像:新工場 完成予想図