損益面については、新商品拡販による効果や前期に買収により新規連結したアマダマーベル社及びアマダオリイ社による増収効果はあったものの、円高の影響等により、営業利益19,162百万円(同5.8%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益13,344百万円(同17.9%減)となった。
■経営成績に関する説明
4~9月期における世界経済は、米中貿易摩擦等の影響により景気の先行きに不透明感が強まり、米国では底堅い経済成長が見られるものの、中国や一部の周辺国においては経済成長に鈍化が見られ、製造業をはじめとする設備投資にも減速感が見られた。欧州でもBrexitの不確実性やドイツの景気低迷から製造業の景況感が悪化した。そのような中、我が国の設備投資でも一部で慎重化が見られたものの、概ね堅調に推移した。
■事業別の概況
<金属加工機械事業>
金属加工機械事業の受注高は124,269百万円(前年同期比6.9%減)、売上収益は122,606百万円(前年同期比3.7%減)、営業利益は14,787百万円(同9.3%減)となった。
板金部門は、国内は戦略商品であるENSISシリーズをはじめとするファイバーレーザマシンの販売が好調に推移したものの、米中貿易摩擦等の影響により中国やその他のアジア、欧州で設備投資に鈍化が見られたことで、売上収益は108,887百万円(同3.2%減)となった。
微細溶接部門では、レーザ溶接関連の販売は国内外で好調に推移したが、抵抗溶接機の販売は自動車関連向けの低迷により全体的に弱さが見られた。また、前期の業績に貢献したスマートフォン等のモバイル機器向けの大型案件の反動減などにより、売上収益は13,716百万円(同7.1%減)となった。
<金属工作機械事業>
金属工作機械事業の受注高は30,552百万円(前年同期比3.2%増)、売上収益は31,733百万円(同18.5%増)、営業利益は3,983百万円(同4.0%増)といずれも前年同期に比べ増加した。
切削部門では、国内で引き続き鉄構加工機の販売が拡大し、前期に子会社化した米国の切削機械メーカーであるアマダマーベル社の業績も貢献し、増収となった。
プレス部門では、前期に子会社化したプレス加工の自動化装置メーカーであるアマダオリイ社の寄与と共に、同社と一体となって行った複数のプレス機を、自動搬送装置を用いて連結するタンデムライン等の自動化設備運用提案が奏功した。また研削盤部門においても国内において平面研削盤や成型研削盤の販売が堅調に推移した。
■地域別の状況
北 米:米国では微細溶接部門の販売が医療機器向けを中心に堅調に推移し、切削部門では前期に新規連結したアマダマーベル社の業績が寄与した。またメキシコや輸出産業が好調なカナダでも販売が拡大したことで、売上収益は31,860百万円(同6.4%増)となった。
欧 州:欧州では、前期低調であった英国においては精密機器関連向け等で販売が回復したが、製造業を中心に景況感が悪化しているドイツなどで販売が低調に推移した。また政治的不透明感等から前期好調であったイタリアでも販売が減少したことで、売上収益は26,515百万円(同9.5%減)となった。
アジア他:中国では、景気減速と米中貿易摩擦の影響等により設備投資需要の鈍化が見られ販売が減少し、これにより韓国等の周辺国でも影響が見られ低調に推移した。またインドでも金融機関の不良債権問題等により設備投資が減速したことで、売上収益は23,842百万円(同17.8%減)となった。
■2020年3月期の見通し
第2四半期連結累計期間の業績は、M&Aの新規連結効果も含め売上収益は堅調に推移したものの、2020年3月期通期の業績予想については、設備投資マインドの低下等の外部環境の悪化や足元の受注状況に鑑み、2019年5月14日に公表した業績予想値を下記のとおり修正した。
売上収益3,350億円(前回予想:3,500億円)、営業利益470億円(同:470億円)、親会社株主に帰属する当期純利益335億円(同:335億円)。
なお、予想の前提となる第3四半期連結会計期間以降の主要為替レートは、1米ドル=108円、1ユーロ=120円を想定しており、通期の平均レートは1米ドル=108.32円、1ユーロ=120.71円となる。