・マイニングは高水準を推移
利益項目は、前年同期比較では、現地通貨ベースでの売上は増加したものの、為替の円高影響や間接費の増加等により、調整後営業利益は449億6千5百万円(同△15.7%)、営業利益は433億7百万円(同△14.2%)、親会社株主に帰属する四半期利益は251億9千6百万円(同△16.7%)となった。
■経営成績に関する説明
また、従来からの事業に加えH-E Parts社、Bradken社のマイニング設備及び機械のアフターセールスにおける部品サービス事業の強化を推進している。米国のACME社への出資やイギリスのSynergy Hire社設立に続いて、中国でもレンタル事業強化を進めており、今後さらにアジア・大洋州でも順次展開を図っていく。このように、日立建機は、新車販売以外での収益拡大を図るべくバリューチェーン(新車販売以外の事業である部品サービス、ソリューションビジネス、レンタル等の事業)の深化を推進中である。
マイニング事業については、日立グループとの協業により高度な車体安定化制御を実現したリジッドダンプトラックAC-3シリーズの拡販に努めるとともに、鉱山運営の効率化に貢献するマイニング機械の運行管理システムの提供や自律運転技術(AHS)の開発に積極的に取り組んでおり、今年度中の商用化をめざし、オーストラリアのホワイトヘイブン社と協業を進めている。
■各セグメントの業績
<建設機械ビジネス>
4~9月期の売上収益は、新車販売と、部品サービスを中心とするバリューチェーンの双方で伸びたものの、為替の円高影響等を受けて、4,342億2百万円(前年同期増減率△1.8%)となった。
調整後営業利益は、同じく為替の円高影響で、408億4千9百万円(同△19.2%)となった。
<ソリューションビジネス>
同事業は、2016年度に連結子会社化した、主としてマイニング設備及び機械のアフターセールスにおける部品サービス事業を行うBradken社とサービスソリューションを提供するH-E Parts社で構成されている。
4~9月期の売上収益は、ロシアCISや米州等でマイニング機械向け売上が堅調に推移したものの、為替の円高影響等を受け、475億2千5百万円(前年同期増減率△3.1%)となった。
調整後営業利益は、オーストラリアでの事業が好調で、更にBradken社で昨年度までに実行した事業構造改革効果もあり、41億1千6百万円(同48.5%)となった。
■2020年3月期見通し
4~9月期の建設機械需要は、日本や北米においては堅調に推移したものの、中国やインド等では想定以上に前年度を下回って推移したことから、2020年3月期の年度全体の建設機械需要見通しは、前回発表時の22万2千台(前年同期増減率△6%)から、今回21万7千台(前年同期増減率△8%)へ、約5千台下方修正する。
一方、マイニング機械は、引き続き大規模鉱山を所有する大手鉱山会社の投資が見込まれ、特に大手鉱山向け積載質量150トン超のダンプトラックと運転質量300トン超の油圧ショベルの需要は、前年同様の高い水準が続く見通し。ソリューションビジネスも、主たる顧客の鉱山会社の順調な資源生産に伴い機械・設備は引き続き高水準の稼働が継続すると見込まれる。
このような状況を踏まえ、日立建機グループでは、部品サービスを中心としたバリューチェーンの拡大やマイニング事業の強化を進め、顧客の課題に対する様々な解決策を提供することで競争力の強化を図り、引き続き原価低減を進め、棚卸資産のさらなる適正化を図るべく、経営効率の向上に取り組んでいく。
2020年3月期連結業績予想については、4月24日公表値、売上収益9,500億円(前期比8.1%減)、営業利益860億円(同26.4%減)、税引前当期利益800億円(同22.1%減)、親会社株主に帰属する当期利益480億円(同29.9%減)。を据え置いた。
なお、2019年10月以降の為替レートは、前回発表時の米ドル100円、ユーロ110円は据え置くが、人民元は15.0円から14.5円へ、豪ドルは77円から70円へ変更する。これら業績見通しの前提となる為替レートは、同社予想変動レンジの下限を想定して設定している。