■経営成績に関する説明
主力市場である米国は、米中貿易摩擦が激しさを増して不透明感が強まる中、設備投資は軟化したものの、雇用・所得環境が引き続き堅調で、住宅市場が勢いを取り戻しつつあるなど個人消費は好調を維持した。欧州は、米中貿易摩擦と英国のEU離脱問題の混迷が続き、製造業の低迷が重石となる中、雇用・所得環境は依然として良好で、個人消費は底堅く推移した。英国は、EU離脱に対する不確実性が高まる中、輸出・設備投資が減少したものの、個人消費の拡大が景気を下支えした。
■セグメント別の経営成績
<日 本> 日本セグメントは、売上高のほとんどが欧州ディストリビューター向けの販売で占められている。2018年3月に市場投入したミニショベル「TB225」が引き続き販売好調で、2019年2月に市場投入したミニショベル「TB235-2」及び「TB250-2」も好調な滑り出しを果たした。欧州向けのミニショベル、油圧ショベルの販売台数が増加したこと等により、売上高は239億6千9百万円(前年同期比17.2%増)となった。セグメント利益は、拡販に向けて政策的な販売価格を設定したこと、子会社向けの製品販売価格を引き下げたこと、並びに製造原価及び運搬費が上昇したこと等により、52億4千3百万円(同15.3%減)となった。
<米 国> 住宅工事、インフラ工事を中心に製品需要は高い水準を維持しているものの、米国での天候不順の影響で外部顧客への製品出荷の一部が先延ばしされたこと、及び買入部品の調達制限の影響で米国セグメント向けの製品出荷を制限したこと等により、ミニショベル及びクローラーローダーの販売台数が減少した。この結果、売上高は276億1千3百万円(前年同期比2.5%減)となったが、セグメント利益は日本セグメントからの製品仕入価格の値下げ、及びプロダクトミックスの変化等により、17億1千万円(同11.2%増)となった。
<英 国> 英国内の住宅工事やインフラ工事は旺盛なものの、EU離脱問題の長期化を背景に、製品購入に慎重な顧客が増加した。このため、2018年3月に市場投入したミニショベル「TB225」が引き続き販売好調でしたが、ミニショベル全体の販売台数は減少した。この結果、売上高は71億2百万円(前年同期比2.7%減)となり、セグメント利益は4億2千4百万円(同0.7%減)となった。
<フランス> 2018年3月に市場投入したミニショベル「TB225」が引き続き販売好調であり、ミニショベル、油圧ショベルの販売台数が増加した。この結果、売上高は36億1千4百万円(前年同期比4.7%増)となったが、プロダクトミックスの変化、及び人件費等の販売費及び一般管理が増加したこと等により、セグメント利益は1億3千7百万円(同3.5%減)となった。
<中 国> ミニショベル及び油圧ショベルの販売台数が減少したこと等により、売上高は1億6千1百万円(前年同期比49.8%減)となった。セグメント利益は、前年同期に計上されていた貸倒引当金の戻入が当第2四半期連結累計期間は繰入となったこと、及び日本セグメントへの部品供給が減少したこと等により、2千1百万円(同92.0%減)となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2020年2月期の通期の連結業績予想については、売上高1,150億円(前回4月9日予想:1,150億円)、営業利益123億円(同:140億円)、経常利益119億円(同:140億円)、親会社株主に帰属する当期純利益87億円(同:100億円)と修正した。
修正理由:米国は、天候不順の影響で外部顧客への製品出荷の一部が先延ばしされたこと、及び買入部品の調達制限の影響で米国子会社への製品出荷を制限したこと等により、上期の米国での売上高は計画未達となった。米国の製品需要は高い水準を維持しており、上期の未達分は下期で回復を見込むものの、その全てを挽回するのは困難と予想したことにより、通期の米国での売上高及び販売台数は、前回予想を下回る見通しとなった。
欧州は、英国での販売は軟調なものの、その他欧州での販売が好調に推移しており、下期も引き続き好調を維持すると予想したことにより、通期の欧州での売上高及び販売台数は、前回予想を上回る見通しとなった。
なお、業績予想における第3四半期以降の為替レートは、1米ドル=104円、1英ポンド=127円、1ユーロ=115円、1人民元=14.5円を前提としている。