・ プライメタルズテクノロジーズが三菱日立製鉄機械の単独傘下に
・ 2020年初に取引完了見込み
・ 財務情報に関する詳細は非開示
三菱重工業は10月1日、グループ会社である三菱日立製鉄機械とシーメンス社(Siemens AG)が9月30日、三菱日立製鉄機械がシーメンス社の保有するプライメタルズテクノロジーズ(PT)の株式(49%)を取得することで合意したと発表した。その結果、関連する競争法当局の承認等を得て2020年初に予定されている取引完了とともに、三菱日立製鉄機械がPTの単独株主に移行することとなり、シーメンス社は、取引を確実に完了させるためのプロセスを支援する。なお、この取引に関する財務情報詳細については非開示となる。
2015年1月に発足したPTは、その前身である三菱日立製鉄機械とシーメンスVAI(Siemens VAI Metals Technologies)が顧客の信頼と製鉄分野の技術革新の長い歴史で培ってきた高度な技術を統合し、三菱重工グループとシーメンスグループの密な連携の下で、技術および事業の面で優れた企業を目指すという共通の思いから誕生した。PTは、金属業界向けのエンジニアリング、プラント建設、ライフサイクルサービスにおける世界的なパートナーであり、電気、オートメーション、環境ソリューションを統合した包括的な技術、製品およびサービスを提供している。
三菱日立製鉄機械の親会社である三菱重工の石塚隆志インダストリー&社会基盤ドメイン長は、以下のとおりシーメンス社に謝意を表明している。
「過去4年9か月にわたるシーメンス社のPTへの多大な貢献を通じ、シーメンス社の産業機械事業分野に通暁した強いリーダーシップと豊富な経験によるメリットを享受し、PTの事業基盤を確立できたことに、三菱重工はシーメンス社に深く感謝するとともに、この基盤をベースに、今後、PTの事業を更に拡大していきます。」
シーメンス社のポートフォリオカンパニーのヨクン・アイクホルト会長は次のように述べている。
「我々は製鉄機械事業を一つにまとめ、多くのことを達成しました。今こそ、三菱日立製鉄機械のもとでPTがさらなる発展を遂げる時です。三菱重工との合意は、顧客、従業員、株主のすべてに恩恵をもたらします。」
また、三菱日立製鉄機械によるシーメンス保有株取得に関し、PTの飯島 悟CEOは今後の連携による新しい展開への期待とともに、心からシーメンス社に感謝しており、「当社は、三菱日立製鉄機械とともにPTに対するシーメンス社の貢献から多くのことを学び、恩恵を受けています。生産性、生産関連プロセス、高度な自動化に注力していることで知られるシーメンス社のおかげで、PTは全面的に向上し、今後数年間に直面するであろう課題に備えることができました」と語った。