・インドネシアのPPP事業促進に貢献
国際協力機構(JICA)は9月24日、8月21日にインドネシア共和国財務省と協力契約、9月13日に国際金融公社(IFC)とサービス提供契約を締結したと発表した。これらに基づき、同国西ジャワ州レゴックナンカ廃棄物発電事業において、PPP(官民連携:Public Private Partnership)事業における同国政府機関の民間連携事業者の選定のための調達手続きを支援するトランズアクションアドバイザリー業務をIFCと協働して開始した。JICAによるPPP事業におけるトランズアクションアドバイザリー業務の実施は、全世界で初めての試み。
インドネシアでは、人口の増加や経済成長に伴い廃棄物発生量が大幅に増加している一方で、家庭の廃棄物処理サービスへのアクセス率は依然として低い状況が続いている。また、処理施設に運ばれた廃棄物もオープンダンピング(開放投棄)による埋め立てが主流となっており、衛生的な処理が十分に行われずに、悪臭や害虫、有毒ガス発生などの環境問題、浸出水による地下水汚染が原因となった近隣住民の健康問題等が大きな社会問題となっている。同国は、初のPPPによる廃棄物発電事業として、西ジャワ州の6つの地方自治体から回収した廃棄物を処理施設で焼却し、その際に発生する熱を利用して発電を行う。
JICAは、2011年以降、技術協力を通じて、同国のPPP推進のための制度整備に関する支援を継続的に実施してきた。さらに、今回開始したトランズアクションアドバイザリー業務において、廃棄物発電事業者選定のための入札業務(入札書類の作成、入札の評価)及び選定された廃棄物発電事業者との交渉等の一連の調達手続きについて同国政府のサポートを行う。廃棄物発電事業は、収益性の確保が難しい分野の一つですが、協力を通じて、同国においてPPP推進を加速化させることを目指す。
JICAは、本業務を通じてインドネシアにおける廃棄物の適正管理の推進を図るとともに、PPP制度の更なる促進に積極的に貢献していく。
■国際金融公社:世界銀行グループの一員。途上国の民間セクターへの支援に特化した世界最大規模の国際金融機関。世界約100か国の民間企業との協力を通じて、極度の貧困を撲滅し、繁栄の共有を促進するための支援を実施している。
画像・上:事業予定地
画像・下:西ジャワ州ブカシ市バンタルグバンにおけるオープンダンピングの様子
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