・インターンシップを柱に教育・訓練で覚書(MOU)に調印
・若手エンジニアを日本に招き、MHPSの工場で座学やOJTにより指導
・MHPSのものづくり精神を伝えることで、同国の技術力向上に貢献
17日に現地で実施された調印式には、同国のサアド・シェリダ・アル・カービ(Saad Sherida Al-Kaabi)エネルギー大臣、KAHRAMAAのエサ・ビン・ヒラル・アル・クワリ(Essa Bin Hilal Al-Kuwari)総裁、およびQEWCのファハド・ハマド・アル・モハナディ(Fahad Hamad Al-Mohannadi)総裁、ならびにMHPSの河相 健社長らが出席した。
今回のMOUでは、KAHRAMAAおよびQEWCの若手のエンジニアを高砂工場(兵庫県高砂市)などMHPSの事業所で受け入れるもの。MHPSが用意した座学トレーニングやOJTを通じて、円滑かつ確実に1ランク上の高度な課題を達成できるように指導する。
インターンシップを通じて、MHPSが持つ発電設備についての知見や設計思想などについて理解を促進。MHPSへの信頼を醸成し、カタールで現在推進中のプロジェクトにおける関係強化、将来の新規受注や改修工事につなげる。また、日本に対するファン層の拡大にも寄与していきたいと考えている。
カタールは現在、2022年のサッカー世界大会「FIFAワールドカップ2022」開催に向けたインフラの需要があることに加え、同国の産業を多様化し持続可能で先進的な国家づくりを掲げる長期計画「カタール国家ビジョン(QNV:Qatar National Vision)2030」を達成するため、幅広い社会・産業基盤の整備に力を注いでいる。大型の発電・海水淡水化事業も活発で、MHPSは昨年、ラスラファン工業地区(Ras Laffan Industrial City)のラスラファンC独立発電・造水事業(IWPP)で運転中のガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備を対象としたMHPS製M701F形ガスタービン計8基の2期長期メンテナンス契約(LTSA)を締結。同国での存在感を着実に高めている。KAHRAMAAおよびQEWCは、同国の安定した発送配電の基盤を支える両輪であり、今回のMOUが有する意義は大きいといえる。
MHPSは、今後も環境に配慮した先進的火力発電システムの新設・改修事業、および既設プラントに対するアフターサービス事業に力を注ぐことはもちろん、昨年10月に首都ドーハに開設した駐在事務所を通じて各種社会基盤の整備計画に関する情報収集および顧客への情報発信機能を強化することで、カタールの旺盛な発電需要にきめ細かく対応し、経済発展と環境負荷の低減に貢献するとともに、多様なニーズに合わせた包括的なサービスを提供していく。