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三菱重工エンジン&ターボチャージャ、再生可能エネルギーとの“トリプルハイブリッド”自立給電システムEBLOXをアフリカに提案へ

・MHIETがトルコのチャルックエナジー社と横浜TICAD7を機に拡販協業でMOUに調印

 三菱重工グループの三菱重工エンジン&ターボチャージャ(MHIET、本社:相模原市中央区)は8月29日、太陽光などによる再生可能エネルギー発電とレシプロエンジン発電および蓄電池を組み合わせ最適な安定制御ができる“トリプルハイブリッド”自立給電システム「EBLOX(イブロックス)」の拡販に向けた協業で、トルコ共和国有数の財閥チャルックホールディング(Calik Holding)傘下の総合エネルギー・インフラ事業会社であるチャルックエナジー(Calik Enerji Sanayi ve Ticaret A.S.)との覚書(MOU:Memorandum of Understanding)に調印したと発表した。電力供給網の整備が遅れているアフリカ地域を中心に、同地域市場に強いチャルックエナジー社の支援を得て、自然界から安定的に電力を得られるEBLOXを分散型電源として普及させていくことが狙い。

 同MOUは、横浜市で28日から30日まで開催中の「第7回アフリカ開発会議(TICAD7)(注)」で発表したもので、アフリカ市場を対象としている。チャルック社側は、主に再生可能エネルギー発電設備等の供給と現地での建設工事を手掛ける。一方のMHIETはエンジン等の主要設備の供給などを受け持つ。

 チャルックホールディング社は、従業員約3万人を擁してエネルギー関連のインフラ事業、繊維ビジネス、金融、建設業、通信、デジタル関連事業、鉱山経営などを手広く手掛けている。現在、東アフリカ地域で太陽光発電設備の普及提案に力を注いでおり、MHIETが製品化したハイブリッド給電システムにも強い関心を持ち、今回の両社協業が早期に実現したもの。

 EBLOXは、天候などに左右されやすい自然エネルギー(変動性再生可能エネルギー)由来電力の割合が大きくなると電力供給量が不安定となる現象への対応手段として、MHIETの技術基盤を有効活用して開発したもの。変動性再生可能エネルギーによる電力の変動を蓄電池で吸収し平準化させるとともに、天候変化や昼夜の時間帯変化に発電量が左右されないディーゼルエンジンやガスエンジンによる発電がバックアップするため、大規模な発電所でつくり出された電力を長い送電線で供給することが困難な地域が多いアフリカに適合した分散型電源といえる。

 世界中には、電力会社の送配電網が行き届かないため簡便な自立型電源を求める地域が多数ある一方、地震や風水害などの災害対策としても自立可能な分散型電源への期待が高まっている。MHIETは、チャルック社との協業開始を弾みとして、こうした強いニーズに応えられるトリプルハイブリッド発電システムEBLOXを新たに提案することで、再生可能エネルギーの付加価値を高めて可能性を広げ、低炭素社会づくりに貢献していく。

(注)TICAD(Tokyo International Conference on African Developmentの略)は、日本政府の主導で1993年に始まった、アフリカをテーマとする国際会議で、国際連合、国連開発計画(UNDP)、世界銀行グループおよびアフリカ連合委員会(AUC)との共催。アフリカの持続的な成長・発展には民間投資が重要との認識のもとで、現在は経済的議論が活発に行われている。

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