住友商事は8月26日、ベトナムにおいて、住友商事100パーセント子会社のVan Phong Power Company Limitedを通じて、Van Phong(バンフォン)1石炭火力発電事業に参画しているが、このほど建設工事に着手したと発表した。
この事業は、ベトナム カインホア省バンフォン経済特別開発地区において、発電容量1,320メガワット(660メガワットの発電設備ユニット2基)の超臨界圧石炭火力発電所を新たに建設し、25年間にわたりベトナム電力公社(Vietnam Electricity:EVN)に対して売電を行うBOT(建設・運営・譲渡)方式の発電事業。総事業費は約2,800億円で、2023年内の商業運転開始を目指す。
ベトナムでは、高い経済成長に伴い電力需要が急増し、今後深刻な電力不足に直面するといわれており、電力不足の解消が喫緊の課題になっている。ベトナム政府は、2016年策定の改定版第7次国家電力開発計画に基づき、毎年10パーセント程度伸長する電力需要に対応すべく、同国内の発電設備容量を2025年までに96,500メガワット、2030年までに129,500メガワットに増強することを目指している。
現在気候変動問題が重要な社会課題となり、世界的に再生可能エネルギーの拡大等の気候変動緩和の取り組みが進められている。住友商事グループは、そうした状況を踏まえ、気候変動問題に対する方針を見直した。発電事業では、地域社会における経済や産業の発展に不可欠なエネルギーを安定的に供給すると共に、経営資源を再生可能エネルギー等、より環境負荷の低い発電ポートフォリオに継続的にシフトする。石炭火力発電事業については、新規の開発は行わない方針だが、地域社会における経済や産業の発展に不可欠で、国際的な気候変動緩和の取り組みや動向を踏まえた、日本国およびホスト国の政策に整合する案件は、個別に判断することとしており、同事業は、この考えに基づき取り組むもの。
住友商事は、ベトナムにおける経済や産業の発展に不可欠なエネルギーの安定供給を行うと共に、ベトナムの生活水準向上、電力不足の解消に貢献していく。