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日本精工(NSK)、UAE地下鉄の駆動装置用軸受を受注

 日本精工(NSK))は8月21日、ドバイの地下鉄車両、ドバイ・メトロの駆動装置用軸受を受注したと発表した。

 鉄道用軸受は、安全運行に直接影響する重要保安部品であり、様々な環境下での信頼性ならびに長期間の耐久性が要求される。2009年に開通した、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで運行しているドバイ・メトロは、世界で最も長い距離を走行する無人鉄道の一つであり、人々の移動の選択肢を増やしてきた。ドバイ・メトロには、50度近い気温、塵埃を含んだ強風や潮風など、過酷な環境下でのより一層の信頼性が求められていた。

 NSKは、高品質な製品と技術サービス力によって新興国事業の拡大に取り組んでいる。ドバイには2012年に販売拠点を開設し、現地特有のニーズを満たす迅速なサポート対応によって、多くの顧客の信頼を獲得している。

 今回、NSKの欧州テクノロジーセンターと連携した現車を使った振動解析や試験車両に使用した軸受の評価など、現地でのきめ細かな技術対応とこの分野での豊富な採用実績が補修用軸受の受注につながった。

 鉄道車両を駆動する主電動機の出力を車軸へ伝達する駆動装置は、線路と車軸の間で発生する大きな振動を受ける。この駆動装置のギア軸を支持する軸受には、過酷な振動下でも長期間使用できる高い信頼性が要求される。ドバイ・メトロの駆動装置に使用される円すいころ軸受は、最適な材料選定や耐つば焼付き仕様などの専用設計、高強度保持器の適用などにより、十分な耐久性と信頼性を実現している。

 NSKは、1964年に走行を開始した初代新幹線0系以降、軸受メーカーとしては唯一、全種類の国内新幹線に軸受を提供し、日本の鉄道事業の発展を支えてきた。近年では中国やフランス、韓国など世界の多くの鉄道車両にも軸受を提供している。その実績や技術力を評価され、今回の受注に至った。今後も鉄道向け製品の供給を通じて鉄道の安全、安心、快適な運行を支え、社会の課題解決に取り組んでいく。

■NSKについて

 NSKは、1916年に日本で最初の軸受(ベアリング)を生産して以来、100年にわたり軸受や自動車部品、精機製品などのさまざまな革新的な製品・技術を生み出し、世界の産業の発展を支えてきた。1960年代初頭から海外に進出し、現在では30ヶ国に拠点を設け、軸受の分野で世界第3位、また電動パワーステアリング、ボールねじなどにおいても世界をリードしている。

 企業理念として、MOTION & CONTROL™を通じて円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強めることを掲げている。2026年に向けてNSKビジョン2026「あたらしい動きつくる。」を掲げ、世の中の期待に応える価値を協創し、社会への貢献と企業の発展の両立を目指していく。」

画像・上:ドバイ・メトロの車両とメンテナンス作業の様子

画像・下:ドバイ・メトロの駆動装置に使用される円すいころ軸受

 ニュースリリース

 

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