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加藤製作所、2020年3月期第1四半期売上は6.7%減の180億円

 ㈱加藤製作所が8月9日に発表した2020年3月期第1四半期(4~6月)連結業績によると、売上高は180 億3 千9 百万円(前年同期比93.3%)となり、前年同期を下回った。損益については、販売した製品ミックスの変化による原価率の悪化や、工場再編による移転費用の発生により、営業利益は3 億9 千2 百万円(前年同期比30.1%)、経常利益は3 億6 千1 百万円(前年同期比22.8%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3 千9 百万円(前年同期比4.3%)となった。

■経営成績に関する説明

 4~6月期における国内経済は、企業収益の改善を背景に雇用環境も堅調に推移し、緩やかな回復基調にあると言われているが、その実感に乏しく依然として不透明な状況となっている。また、米中貿易摩擦が深刻化し、中国経済の成長鈍化などが日本経済へ影響を及ぼす懸念も強まってきた。

 このような状況下、加藤製作所グループは、「収益性の向上」「事業規模の拡大」「人財育成」「技術力の強化・革新」「業務プロセス改革」を基本戦略とした「中期経営計画2019-2021」を今年度よりスタートさせている。この基本戦略のもと、業績ならびに企業価値の向上に取り組んでいる。また、坂東工場の新設により部品供給体制を整備するとともに、横浜工場から群馬工場への移設を行い、本年7 月より稼働させ、生産体制の効率化に努めている。

 なお、非連結子会社であったKATO IMER S.p.A.とKATO EUROPE B.V.は、重要性が増したことにより第1四半期より連結の範囲に含めている。

 加藤製作所2020年3月期第1四半期データ

■セグメント別の状況

<日 本> 国内向けの建設用クレーンは、小型機種の販売に注力したことで売上高は前年同期並みとなり、海外向けの建設用クレーンは、インドネシアなどへの出荷遅れや、東南アジアを中心とした販売減少により、売上高は大幅に減少した。

 油圧ショベル等は、国内レンタル会社の需要が増加したものの、海外向けは横浜工場の移転に伴い生産遅れが発生し、油圧ショベル等の売上高は減少した。

 日本の売上高は149 億4 千5 百万円(前年同期比90.7%)となり、セグメント損失は2 億6 千1 百万円(前年同期はセグメント利益5 億4 千3 百万円)となった。

<中 国> 中国の油圧ショベル等は、経済成長の鈍化によりインフラ投資の伸び率が縮小したことで売上高は減少した。売上高は31 億9 千2 百万円(前年同期比84.0%)となり、セグメント利益は6 億8 千2 百万円(前年同期比97.3%)となった。

<その他>トラッククレーンを製造・販売しているタイのKATO WORKS(THAILAND)CO.,LTD.は売上高が徐々に増加し、ミニショベル等を製造・販売しているイタリアのKATO IMER S.p.A.及び建設用クレーンや油圧ショベル等を販売するオランダのKATO EUROPE B.V.を連結子会社として加えたことで、売上高は9 億6 千2 百万円(前年同期は売上高1 億9 千万円)となり、セグメント損失は1 億6 千8 百万円(前年同期はセグメント損失3 千7 百万円)となった。

■主要品目別売上高の状況

<建設用クレーン> 国内は、オペレータ不足や中古市場の低迷が続いているが、小型機種の販売に注力したことで売上高は前年同期並みとなった。国内建設用クレーンの売上高は91 億5 千7 百万円(前年同期比100.5%)となった。

 海外は、インドネシアなどへの出荷遅れや、東南アジアを中心とした販売減少により、売上高は大幅に減少した。海外建設用クレーンの売上高は9 億7 千6 百万円(前年同期比54.9%)となった。

 建設用クレーンの売上高は101 億3 千4 百万円(前年同期比93.1%)となった。

<油圧ショベル等> 国内の油圧ショベル等の売上高は、前年同期からほぼ横ばいの28 億7 百万円(前年同期比98.4%)となった。

 海外は、中国経済の成長鈍化によりインフラ投資の伸び率が減少したこと、また、横浜工場の移転に伴い生産遅れが発生したことで売上高は減少した。海外油圧ショベル等の売上高は48 億1 千3 百万円(前年同期比90.0%)となった。

 油圧ショベル等の売上高は76 億2 千万円(前年同期比92.9%)となった。

<その他> 国内のその他製品は、路面清掃車や万能吸引車等は前年同期並みとなり、売上高は2 億円(前年同期比98.4%)となった。海外のその他製品は、売上高は8 千3 百万円(前年同期比223.0%)となった。その他の売上高は2 億8 千4 百万円(前年同期比117.8%)となった。

■2020年3月期の見通し

 2020年3月期連結業績予想は、売上高870億円(前期比1.9%増)、営業利益26億円(41.7%減)、経常利益27億円(43.7%減)、親会社株主に帰属する当期利益15億円(50.6%減)と5月14日公表値を据え置いている。

 加藤製作所の2020年3月期第1四半期決算短信

 第1四半期決算説明資料

 

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