利益項目については、為替の影響および売上の減少に伴い、調整後営業利益は229億2百万円(同△17.0%)、営業利益は236億7千4百万円(同△7.9%)、親会社株主に帰属する四半期利益は136億4千6百万円(同△13.1%)となった。
■経営成績に関する説明
また、従来からの事業に加えH-E Parts社、Bradken社のマイニング設備及び機械のアフターセールスにおける部品サービス事業の強化を推進している。米国のACME社への出資やイギリスのSynergy Hire社設立に続いて、中国でもレンタル事業強化を進めており、今後更にアジア・大洋州でも順次海外展開を図っていく。このように日立建機は、新車販売以外での収益拡大を図るべくバリューチェーン(新車販売以外の事業である部品サービス、ソリューションビジネス、レンタル等の事業)の深化を推進中である。
部品サービス事業においては、特に「ConSite」の浸透を図っており、建設機械業界初となった、センサによりオイルの状態を遠隔で検知しエンジンや油圧機器の故障予知を行う「ConSiteOIL」等をメニューに加え、顧客のライフサイクルコストの低減に寄与している。
マイニング事業については、日立グループとの協業により高度な車体安定化制御を実現したリジッドダンプトラックAC-3シリーズの拡販に努めるとともに、鉱山運営の効率化に貢献するマイニング機械の運行管理システムの提供や自律運転技術(AHS)の開発に積極的に取り組んでおり、今年度中の商用化をめざし、オーストラリアのホワイトヘイブン社と協業を進めている。
■各セグメントの業績
①建設機械ビジネス
4~6月期における油圧ショベル需要は、中国・アジア大洋州・インド・中東・アフリカ・中南米などにおいて前年同期を下回った。一方で、マイニング機械需要は鉱山会社の投資増加を受け、前年同様に高い水準で推移している。
4~6月期の売上収益は、新車販売と、部品サービスを中心とするバリューチェーンの双方で伸びたものの、為替の影響を受け、2,112億7千1百万円(前年同期増減率△2.4%)となった。調整後営業利益は、為替の影響などで、207億3千6百万円(同△21.5%)となった。
②ソリューションビジネス
同事業は、2016年度に連結子会社化した、主としてマイニング設備及び機械のアフターセールスにおける部品サービス事業を行うBradken社とサービスソリューションを提供するH-E Parts社で構成されている。
4~6月期の売上収益は、米州やロシアCIS等でマイニング機械向け売上が堅調に推移したものの為替の影響を受け、240億2千4百万円(前年同期増減率△0.3%)となった。
調整後営業利益は、昨年度までに実行した事業構造改革の効果などにより、21億6千6百万円(同83.2%)となった。
なお、上記、①②の売上収益については、セグメント間調整前の数値である。
■2020年3月期の見通し
2020年3月期の建設機械需要は、4~6月期の油圧ショベルについては、中国市場の減速や一部アジアやインドでの総選挙の影響もあり前年度を下回って推移したものの、年度全体では2019年3月期の需要を若干下回るという年度当初の見通しとなるものと現時点では想定している。
一方、マイニング機械は、大規模鉱山を所有する大手マイニング会社の安定した投資が見込まれ、特に大手鉱山向け積載質量150トン超のダンプトラックと運転質量300トン超の油圧ショベルの需要は、前年とほぼ同様の高い水準が続く見通し。ソリューションビジネスも、主たる顧客であるマイニング会社の順調な資源生産に伴い機械・設備は引き続き高水準の稼働が継続すると見込まれる。
このような状況を踏まえ、日立建機グループでは、部品サービスを中心としたバリューチェーンの拡大や、マイニング事業の強化を通じて、顧客の課題に対する最適な解決策を提供することで競争力の強化を図るとともに、引き続き、原価低減を進めると同時にたな卸資産の早期適正化を図るべく、経営効率の向上を推進していく。
以上の状況を踏まえ、2020年3月期連結業績予想(2019年4月~2020年3月)は、2019年4月24日公表した連結業績予想を据え置いた。
業績見通しの前提として、需要は年度当初の見通し通り前年度を若干下回る想定とし、2019年7月以降の為替レートについても日立建機予想変動レンジ下限の米ドル100円、ユーロ110円、人民元15.0円、豪ドル77円を据え置いた。