日本機械工業連合会(略称:日機連)は7月18日、2019(平成31)年度の機械工業生産額見通し(調査時点:2018年6月)は、前年度比0.2%増の76兆3,268億円となる見通しだと発表した。
■2019年度は0.7%増と3年連続の増加見込み
-2019年度(令和元年度)機械工業生産額見通し調査結果まとまる
1.概 況
<2018年度(平成30年度)の生産動向>
我が国の2018年度の機械工業の生産は引き続き回復を辿った。下期に米中の貿易問題が顕在化したものの、国内は人手不足に伴う根強い省力化・自動化のニーズ、五輪開催に向けた交通・物流等の社会インフラ整備などの投資により堅調であった。
また、輸出は中国が下期に減速感があったものの、国を挙げてのEV化等を進める中で、半導体関連の需要や省力化・自動化投資が伸び、米国では法人税減税の政策効果により引き続き底堅い状況が続いた。欧州でもユーロ圏を中心に緩やかな景気回復が続いた。また、為替の安定が生産増加に寄与した。こうした中、2018年度の機械工業生産額は全体では前年度比1.9%増の75兆8,251億円となった。
<2019年度(令和元年度)の生産動向>
我が国の2019年度の機械工業生産は概ね底堅い回復を続けているが、景気全般に先行き不透明感があり、その度合いは緩やかなものとなっている。
国内では深刻な人手不足を背景に省力化・自動化ニーズが設備投資を下支えし、交通・物流等の社会インフラ整備、五輪関連工事や国土強靱化対策等の投資も期待できる。
海外では米国の景気が着実に回復しており、欧州ユーロ圏では景気は緩やかに回復、中国は景気回復の遅れが見られるが、今後政府の内需刺激策の効果が期待される。
この先、国内が消費税増税の影響、海外は米中の貿易問題の行方や中国景気の動向、イラン等を巡る中東情勢の緊迫化、Brexitの動向等の下振れリスクを注視していく必要がある。こうした中、2019年度の機械工業生産額は全体では前年度比0.7%増の76兆3,268億円となる見通しである。