・オープンイノベーションによって、AI技術開発・人材育成を推進
㈱IHIは7月11日、横浜国立大学に、人工知能(AI)技術の技術開発を促進するため、AI技術の専門家との共働や、人材育成、共同開発に取り組む、共同研究講座(※1)を開設したと発表した。
IHIは、これまでに、製品・サービスや、ものづくり技術の高度化に加えて、新たな価値を創出することを目指し、AI技術の開発や適用に取り組み、ガスタービンの故障予兆診断、航空機エンジンの運航最適化支援や、業務プロセスの改善などに適用してきた。一方で、複雑に変化する社会ニーズに対応し、必要な技術を迅速に提供していくため、2004年から、横浜国立大学と「産学連携に関する包括協定書」に基づき、それぞれが有する人的・物質資源と知的財産を有効に活用し、幅広い技術分野で共同研究や議論を実施してきた。さらに、横浜国立大学では、2016年には学内外の組織の枠にとらわれず、AI技術に関する先進的な学術研究や産学官連携プロジェクトを積極的に推進する、横浜国立大学人工知能研究拠点が発足した。
そこで、IHIは同拠点と連携する共同研究講座を開設し、AI技術開発の内容や手法の妥当性などに関して専門家と共働するとともに人材育成や共同研究に取り組み、IHIの様々な製品・サービスや製造現場でのAI技術の適用拡大につながる技術開発を実施する。また、講座の開設にあたり、IHIの技術者2名を共同研究講座の非常勤教員とする。
IHIではこの他、今年5月に新たな実験棟「IHIグループ横浜ラボ」を開所するなど、社内外の自由な創造力を活かし、課題解決や新たな事業の創出を迅速・効率的に行うため、オープンイノベーションを推進している。これらの取り組みによって、技術開発を一層発展させ、技術をもって社会の発展に貢献していく。
<共同研究講座 概要>
名称:IHI人工知能共同研究講座
期間:2019年7月1日~2021年6月30日
内容:社会・産業イノベーションを目指し、IHIが検討している様々なAI技術のレビュー・共同研究、人材育成、人材交流
連携先:横浜国立大学 人工知能研究拠点
(拠点長:横浜国立大学 大学院環境情報研究院 長尾 智晴教授)
(※1) 大学と民間企業等との共通した研究課題について、大学内に共同研究の拠点を設け、継続的に研究を行う制度。資金を出資する企業などから共同研究費や研究者を受け入れ、教員と対等の立場で共同研究を実施することにより、従来の共同研究よりも、企業の開発戦略に合った確実な研究成果が期待できる。