・高性能化で60MWの出力増強を実現
東芝エネルギーシステムズは7月8日、オーストラリア現地法人である東芝エネルギーシステムズインターナショナル・オーストラリア社が、オーストラリアの電力会社であるエナジーオーストラリア社から、ニューサウスウェールズ州の東部に位置するマウントパイパー火力発電所の改修工事について、蒸気タービン・発電機および監視装置などの周辺機器供給を含む据付工事の契約を締結したと発表した。機器供給は東芝エネルギーシステムズが行い、2021年までに全ての工事を完了する予定。
マウントパイパー発電所は、1992年に1号機、1993年に2号機が運転を開始した石炭火力発電所で、いずれも東芝エネルギーシステムズ製の蒸気タービン・発電機が採用されている。現行機はニューサウスウェールズ州の電力の約15%を供給可能。今回の更新工事により、従来と同量の石炭で出力を60MW向上することができ、約5万5千世帯分の発電能力の増強に貢献する。
オーストラリアでは、電源構成の変化に対応した系統増強コストを主要因として、卸売価格の電気料金が高騰している。そのため、老朽化した石炭火力発電所の高効率化と低炭素化を両立する発電設備が求められており、マウントパイパー発電所の改修工事もその一環。今回、東芝エネルギーシステムズの高い技術力や現地に根ざした提案力が評価され、契約に至った。東芝エネルギーシステムズは、昨年ニューサウスウエールズ州東部に位置するベイズウォーター火力発電所の改修工事についても、蒸気タービンおよび発電機更新用の機器供給を含む据付工事の契約を締結している。
東芝エネルギーシステムズは、今後も需要に応じた最適なソリューションを提供していくことで、電力の安定供給と環境負荷低減の両立に貢献していく。
<案件概要>
発電所名:マウントパイパー発電所
発電所オーナー:エナジーオーストラリア社
契約範囲:2×700MW級蒸気タービン・発電機および周辺機器の改修
出力増強:60MW