荒川化学工業(本社:大阪市中央区)は6月27日、ベトナムに製紙用紙力増強剤を製造する生産拠点を設立する方針に関し、詳細検討を開始すると発表した。
ASEANでは、高い経済成長を背景に紙の需要が増大し、紙・パルプ産業が急成長している。荒川化学工業は、これまでも海外展開の一環として、1995年に設立した梧州荒川化学工業有限公司(中国広西壮族自治区梧州市、2011年に広西梧州荒川化学工業有限公司に統合)、2004年に設立した南通荒川化学工業有限公司(中国江蘇省南通市)で製紙用薬品の製造・販売を進めてきた。今回、さらなる海外展開を推進するためには、ベトナムで新たな生産拠点の設立が必要と判断、設立計画をスタートした。
生産拠点は、ベトナム Ba Ria Vung Tau省 (バリア=ブウタウ省)Phu My 3特別工業団地内を第一候補として生産設備(生産能力約40千トン/年を想定)を建設し、2022年中頃までには製造・販売を開始する予定。顧客ニーズに的確に応えた製紙薬品等の供給を通し、ベトナム産業の発展に寄与するため、関係会社との連携をはかりながら万全の体制で計画を推進していく。
荒川化学グループは、第4次中期5ヵ年経営計画(2016年4月~2021年3月)において「真のグローバル化」を基本方針の一つとして掲げ、アジア地域での生産・販売体制の強化による事業拡大を推進している。今回の新工場建設に関する連結業績への影響については、現在精査中であり、今後開示すべき事項について確定した場合は、速やかに発表するとしている。