近年、大規模災害が頻発し、非常時における電力確保の体制構築が社会課題のひとつとなっている。また、防災や減災に対する意識が高まるなか、各都道府県においては防災備蓄倉庫の整備が進められているが、人口1万人あたりでわずか3台の水準に留まっているのが現状。
今回開発した「N3 エヌキューブ」は、NTNがこれまで開発してきた自然エネルギー商品(*1)を組み合わせただけでなく、新たに「機動性」を加え、停電した被災地等に容易に移動・設置、電力供給を行うことを可能にした商品。日常から各地域に設置しておくことで、被災時にいち早く発電し、USBポートを利用したスマートフォン等の充電や小型家電製品(AC100V対応)の利用が可能。また、非常用の発電機の多くは、カセットボンベやガソリンなどを用いるため、長時間使用するためには燃料補給が必要となるが、「N3 エヌキューブ」は自然エネルギーを活用する独立電源のため、燃料補給が不要。さらに、コンテナ内は備蓄資材を収納する棚を設けるだけでなく、休憩用のベンチや机を設置し、更衣室や授乳室、休憩スペースなどさまざまな用途で活用できる。
NTNは、主力商品であるベアリングによる省エネルギー化を推進するとともに、次世代の持続的成長に向けた諸施策を推進している。その中で新しく取り組む自然エネルギー事業を通じて、エネルギーや環境に関する「SDGs」(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)の目標達成に貢献していく。
*1)2016年7月26日プレスリリース:静粛性の高いハイブリッド街路灯の販売開始
https://www.ntn.co.jp/japan/news/new_products/news201600058.html
2017年6月22日プレスリリース:「NTNマイクロ水車」の販売開始
https://www.ntn.co.jp/japan/news/new_products/news201700061.html
■N3 エヌキューブの特長
(1)自然エネルギー(風力、水力、太陽光)による発電・蓄電装置を完備した移動型独立電源
(2)貨物輸送用コンテナに装置一式をコンパクトに収納
(3)コンテナ利用で、さまざまな輸送形態や悪路輸送に対応
(4)現地到着後、短時間で設置し速やかに発電・給電を開始
(5)コンテナ空間は、防災備蓄倉庫や個室スペース等に活用可能