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古河ロックドリル、2019年度より油圧クローラドリルに稼働管理装置を搭載

・稼働管理システムによるライフサイクルサポート機能を強化

 古河機械金属の中核事業会社である古河ロックドリル(東京都中央区)は5月14日、中期経営計画最終年度となる2019年度より、主力製品である油圧クローラドリルの国内出荷機に稼働管理装置を標準搭載すると発表した。今回の稼働管理装置の標準搭載は、ロックドリル部門が進めている、フロービジネス・ストックビジネス両輪での収益拡大のためのライフサイクルサポート機能の強化を、強力に推進することになる。

 油圧クローラドリルは、砕石や石灰石の露天掘り採掘現場で、発破用の火薬を詰めるための孔を10数mの深さまで掘るための穿孔機械として使用されており、古河ロックドリルの国内シェアは約65%(古河機械金属調べ)とトップシェアを有している。主な機構は、穿孔機械の心臓部となる油圧ドリフタがロッドの先端に取り付けられたビットを通じて岩盤に回転しながら打撃を与え穿孔することだが、孔の中での穿孔状態は視覚で確認できないため、その操作は油圧ショベルに比べ格段に難しく、オペレーターの技量によって作業効率が左右される課題がある。

 今回搭載する稼働管理装置は、建機業界で実施されているIoTによる情報把握(作業時間、エンジン回転数、等)に加えて、油圧クローラドリル特有の複雑な操作の状況(穿孔数、穿孔長、打撃時間等)を把握するためのもので、そこで得た様々な情報を、稼働管理システムでモニタリング・分析することで、不具合発生の兆候を未然にキャッチし機械のダウンタイムを低減するとともに、顧客の穿孔作業の改善や業務効率改善につなげていく考え。

 具体的には、2019年度から油圧クローラドリル国内出荷機に稼働管理装置を標準搭載し、稼働管理システムを社内で運用、取得した情報をモニタリング・分析し、顧客や販売・サービス店の満足度向上につなげていく仕組みづくりを行う。同時に、顧客や販売・サービス店用の閲覧サイトをテスト運用し1年かけて改良していく予定。

 顧客の満足度向上イメージ作業効率向上、不具合未然防止による修理費用低減、穿孔状況の把握による容易な作業管理、ドリル部品等の破損低減、等。販売・サービス店の満足度向上イメージいつどこでも機械の状態を把握でき迅速なサービス提供が可能、サービス計画の立案が容易、効率的な部品在庫が可能、予防保全により不具合による顧客からの緊急要請の回数低減等。

 今後は、油圧クローラドリル国内出荷機での運用で得たノウハウを活かし、海外出荷機においても稼働管理装置を順次搭載することで、ライフサイクルサポート機能を強化し、フロービジネス・ストックビジネス両輪での収益拡大に取り組んでいく。

 古河機械金属は、2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion150 ~カテゴリートップ・オンリーワンを基軸として成長する企業グループの実現~」を具現化していくための第一フェーズである「中期経営計画2019 ~新たな成長の礎を構築~」の達成に向け邁進している。

 ニュースリリース

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