第1四半期の受注は1,191億円と、過去ピーク受注となった前年同期に比べ20%減となったが、前年第 4四半期との比較では2%減とほぼ横ばい圏を確保した。5軸加工機、複合加工機など工程集約機や自動化シ ステムなど顧客の価値向上への貢献を高めることにより受注単価の向上が継続している。
また、力を入れてきた機械の修理復旧の迅速化も進み、補修部品及び修理 関連の受注は引き続き伸長し、全社受注の下支えとして貢献した。産業別には、航空機業界、医療業界、金型 業界、建機業界向けが堅調に推移しており、また、SMEs(Small Medium Enterprises)向けも健闘している。
第2四半期以降は、4月に中国での工作機械見本市CIMT、5月には米国シカゴでのイノベーションデイズ、7月 には日本の伊賀事業所でのイノベーションデイズ、9月にはドイツでの世界最大の見本市EMOなど、DMG森精機の最先端 機械、自動化システム、デジタル化技術を展示する多くの機会があり、受注の拡大に繋げていく。
■2019年第1四半期の取り組み
また、これまで社内サーバで運用してきたソフトウェアソリューションCELOS Clubのデータを、マイクロソフト社のクラウドサービス Azureへ移行した。これにより、多くのデータの効率的な分析に注力できるようになった。加えてDMG森精機は、異なるプラットフォームを横断して安全に製造データを流通させる仕組みとして、一般社団法人インダストリ アル・バリューチェーン・イニシアティブ(IVI)によるオープンフレームワークの開発に参画しており、製造業の デジタル化を国際的に推進していく。
さらに、パーツセンタの改革に取り組んでいる。日独米のパーツ センタの状況をデジタル管理し、需要予測技術を取り入れて世界中の顧客への保守サービスの拡充に繋げている。奈良から伊賀事業所内に移転するグローバルパーツセンタでは新しい倉庫を建設中であり、7月に披露予定 である。引き続きDMG森精機は、より多くの顧客に最新技術を提供し、生産活動のさらなる効率化を実現していく。
技術面については、セラミックス加工仕様のゼロスラッジクーラントタンクを開発した。セラミックスの加工における特に重要な課題である、微細な切屑の除去を実現し、半導体業界などの顧客の機械停止や保守作業にかかる時間の削減を実現した。
販売面においては、1月に独国フロンテン工場でオープンハウスを開催し、世界初披露機であるDMP70と LASERTEC125 Shapeを含むハイテク機や自動化ソリューションなどを8,000名以上の顧客に紹介した。また、インド最大級の工作機械見本市IMTEX 2019でも、多関節ロボットRobo2Goを搭載した複合加工機CTX beta 800 TCなどを用いてDMG森精機の自動化の技術をアピールした。4月に東京で行われたインターモールド2019で は、「金型における加工技術の融合」をテーマに、5軸加工、レーザ加工、アディティブマニュファクチャリング などのDMG森精機の最先端技術を披露した。
DMG森精機は、「よく遊び、よく学び、よく働く」をモットーに掲げ、有給休暇の完全取得や昨年から導入した「在社 12時間以内・12時間インターバル制」の徹底など、社員が安心して働き続けられる環境の整備に力を入れている。そのほか、1月には伊賀事業所の所在する三重県伊賀市との連携協定を結び、西柘植地域のまちづくりのため のプロジェクトが発足した。引き続き、地域の皆様と一体となり、地元の発展に尽力していく。
また、DMG森精機では、場所や時間の制約なくタイムリーに情報を提供することにも努めている。2月に開催した 2018年度決算説明会からはDMG森精機ウェブサイトでの動画配信を開始しており、今後も継続して投資家に情報発信していく。