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キャタピラージャパン(CAT)と大成建設、次世代油圧ショベルでの作業自動化に向けた開発に着手

・複数建機の自動連携作業による無人化施工の実現を目指して

 キャタピラージャパン合同会社(本社:横浜市西区)と大成建設は、共同で、電子制御(CAN※などのネットワーク技術よる建設機械の制御)が可能な次世代油圧ショベルCat 320をベースマシンとし、掘削・積込などの作業を自動化する技術開発に着手したと発表した。

 両社は、今後、各種建設機械の作業自動化に向けた技術開発を順次進め、一定規模の建設現場内で複数の建設機械を自動連携させた無人化施工の実現を最終目標として取り組んでいく。

 生産労働人口の減少や高齢化が大きな社会的な問題となる中、生産性の向上や人手不足の解消は、建設産業においても大きな課題となっている。そのため、近年、国土交通省が注力し推進しているi-Constructionにおいて、様々なICTの活用により、建設現場での生産性は徐々に向上してきているが、今後、深刻化が予想される人手不足に対応するためには、さらに生産性向上への取り組みを加速する必要がある。

 このような状況を背景に、キャタピラージャパンと大成建設は、次世代油圧ショベルCat 320をベースマシンとした作業の自動化に向けた開発に着手した。次世代油圧ショベルCat 320は、生産性、テクノロジー、燃費、メンテナンスコスト、安全などあらゆる面で従来モデルを超越した次世代の油圧ショベルとして開発された。

 この建設機械は、電子制御油圧回路の搭載による高精度な半自動施工を実現する2Dマシンコントロールやバケット積載量計測システム(Catペイロード)の標準装備に加え、機体がCANによる制御に対応しているため、掘削・積込作業の自動化を目指す本開発のベースマシンとして最適な油圧ショベル。

 開発の第一段階(画像・上)として、大成建設が2014年に開発した遠隔操作と自律制御可能な建設機械システム(T-iROBOシリーズ)の内、自律割岩システムをCat 320に実装し、2018年6月に作動テストを実施した。その結果、Cat 320の本体に改造を加えること無く自立割岩システムを実装・作動させることが出来、またテストで実施した直径1.5m級の大型岩石の割岩作業では、90%以上の高い精度での自律作業が確認され、CAN制御機構を搭載したCat 320と自律割岩システムの高い親和性が実証された。

 引き続き、2018年7月からは第二段階(画像・下)として、建設現場で頻度の高い土砂ピットの掘削とダンプ積込作業を自動化するアルゴリズムの構築を開始した。2018年度は、熟練工の運転技術をデータ化し、基本的な掘削積込動作を自動で円滑に動作させることと、普通ダンプトラックとの連携に注力した。

 今後、キャタピラージャパンは、実証フィールドや実際の建設現場で本技術の実証試験を行い、将来的にはAI技術の有効活用も視野にさらなる開発を進め、建設機械の作業自動化および無人化施工技術の確立を目指し、建設産業の持続的な発展ならびに顧客のさらなる生産性向上に貢献していく。

※ CAN(Controller Area Network):自動車や建設機械、産業用ロボット等の機械内部において、各システムやセンサを接続するためのネットワーク規格。シンプルな回路構成で、機械各部のセンサ情報の収集統合や、機械の動作制御が可能となる。本技術開発では、CANを活用し、機械本体と外部との相互通信を、シンプルかつ高速で実施している。

 ニュースリリース

 

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