利益については、売上高が増加したものの、材料仕入価格の高騰や主要部品の長納期化に伴う生産効率低下などにより、営業利益は20億5千4百万円(前年同期比0.1%減)となった。また、経常利益は21億3千7百万円(同0.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、13億4千4百万円(同4.5%減)となった。
■2018年度の経営概況
同社の事業に関連する業界は、国内は、各企業の収益改善や政府の補助金の後押しもあって、設備投資は緩やかに増加した。海外では、東南アジア地域における需要が堅調に推移した。
このような市場環境のもとで、東洋機械金属グループは、中期経営計画「TOYO Great Global Plan 2020」を2018年度からスタートさせ、グループ全体でのグローバル成長市場を発展させる事業の拡大と成長、構造改革を基本方針とした事業活動に取り組んできた。
■製品別売上状況
<射出成形機>
国内は、自動車関連の需要が堅調に推移した。海外では、東南アジアの自動車やIT電子機器、医療機器関連の需要が堅調に推移した。また、中国では上期まではローカルスマートフォンのIT電子機器関連の小型機の需要が堅調に推移したが、下期から需要が一巡した影響を受けて減少したものの、自動車関連の需要が堅調に推移した。この結果、売上高は227億3千2百万円(前年同期比4.2%増)となった。
<ダイカストマシン>
国内は、自動車関連を中心に需要が堅調に推移した。海外では、自動車関連の中国や中南米などの需要が減少したが、東南アジアで堅調に推移した。その結果、売上高は前年同期とほぼ同様の90億4千7百万円(前年同期比0.3%減)となった。
■2019年3月期の見通し
今後の経済見通しについては、国内は、堅調な企業業績による設備投資の増加で、景気は緩やかな回復が継続すると予想される。また、海外では、アジア新興国において経済成長が持続すると予想されるが、米中貿易摩擦の激化や英国のEU離脱交渉などの不安が世界経済に影響を及ぼし、企業の景況感を悪化させる懸念がある。
このような市場環境のもとで、東洋機械金属グループは、2020年度を最終目標とする中期計画「TOYO Great Global Plan2020」を基本として、グローバル市場への営業力を強化し、積極的な営業展開で新規成長エリア・市場への開拓に努めていく。また、東洋機械金属の独自技術とカスタマイズ対応力を活かした顧客価値創造型の製品群を市場投入し、顧客の商品価値を高める“Customer’s Value Up”を引続き展開していく。さらに生産技術力を高め、生産能力の効率化と部材の最適調達を推進し、安定した製品供給とコストダウンに努め、収益の拡大に努めていく。
2020年3月期の連結業績見通しについては、売上高320億円(前期比0.7%増)、営業利益22億円(同7.1%増)、経常利益22億円(同2.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益13億5千万円(同0.4%増)を見込んでいる。