・豊橋技術科学大学に「コベルコ建機次世代クレーン共同研究講座」を開設
・次世代クローラクレーンのあるべき姿を探求
豊橋技術科学大学は、1976 年の開学以来、産学連携拠点形成を使命のひとつとして掲げ、 2016年度に技術科学イノベーション研究機構を設置する等、国内外のリーディング企業やトップ研究機関との効果的な融合研究を積極的に推進している。コベルコ建機は、油圧式クローラクレーン、ショベルの開発から製造、販売そしてアフターサービスまで行う製販一体の建設機械メーカーであり、特にクローラクレーンについてグローバルで高いシェアを有している。
両者はこれまでも技術交流を続けてきたが、高度な学術知識を利用したクローラクレーンの高機能化と研究シーズの社会実装という相互の目的に向けた活動を活性化させるため、2018 年からは共同研究をスタートさせている。今回、両組織間の更なる連携強化よるイノベ—ション創出を目的とし、包括連携協定締結とコベルコ建機次世代クローラクレーン共同研究講座設立に至ったもの。
開設式において、コベルコ建機の楢木一秀社長は、「現在、高齢化と労働者人口減少が社会課題となっており、建設機械業界でも人手不足が顕在化している。我々は、「ユーザ現場主義」を理念に、真に価値ある商品、サービス、情報を提供することで顧客の満足に応えるとともに、誰もが安全、安心且つ容易に使える機械を世に送り出すことが使命だと考えている。大学の高度な「知」を、我々企業の製品に「実装」し、より付加価値の高い製品を世に送り出すこと、更には、大学と企業が組織的に共通の課題に取り組むことで豊かな社会の建設に貢献していきたい」と述べた。
また、豊橋技術科学大学の大西隆学長は、「共同研究講座制度は、組織対組織の本格的な共同研究の仕組みとして他のいくつかの大学ではすでに導入されている制度である。本学では、今回の共同研究講座が初の試みとなる。共同研究講座では、コベルコ建機の技術者の方々と一つ屋根の下、建設分野で主に使用する大型クレーンの次世代技術として、「自動運転・遠隔運転・運転アシスト等」を実現するために必要となる新技術の研究に取り組んでいく」と述べた。
今回の協定と共同研究講座は、自動化、AI、ビッグデータ活用等の時事的な研究に限らず、未来社会にとっての次世代クローラクレーンのあるべき姿を探求していく。両者は、この活動を通じ、社会にとって一層魅力のある大学づくり、企業づくりを行っていくとともに、実践的な教育による高度技術者の育成を図っていくとしている。
画像:開所記念式典の様子
左から:(豊橋技術科学大学)機械工学系教授 内山 直樹、理事・副学長 寺島 一彦、学長 大西 隆 (コベルコ建機)代表取締役社長 楢木 一秀、取締役常務執行役員 青山 扶、技術開発本部本部長補佐 丹治 雅人(敬称略)