・ロボットシステムの受注・出荷・輸出入調査など実施
2019年度は、(1)SIerを中心としたFA・ロボット業界ネットワークの構築、(2)SIer事業基盤の強化、(3)システムインテグレーションに対する専門性の高度化、人材育成、(4)次世代を担う人材に対するSIerの認知度向上、(5)各地域との連携を構築・・・・・・等の重点項目を企画運営、広報、経営基盤、地域連携、技術調査・標準化、人材育成、IoT・AI・・・各分科会が連携して推進、地域機関および関係業界団体との連携を強化していく。
新たな多試みとしては、協会員を中心にロボットシステムの受注・出荷・輸出入等の市場動向を調査や、関連業界全般を対象に、システムインテグレーションをめぐる基本的な諸問題についての実態調査を実施する。基本的な諸問題についても実態調査を実施し、総合的なビジョンを策定し、今後のあり方を提言していく。
また、SIer業界とユーザー業界システム担当者の人材育成・高度化のための共通技術基準の策定活動に取り組むほか、高校生・高専生を対象に、ロボットアイデアコンテスト、学生向け展示会なども実施していく。
■ロボット新戦略で政府も後押し
同協会は、システムの構築等を行うシステムインテグレータ(SIer:エスアイアー)の共通基盤組織として日本ロボット工業会内部に設置、2018年7月13日に設立総会を開催、初代会長に三明機工の久保田和雄社長(画像は4月19日会見時)が就任した。
ロボット・FA(Factory Automation)システムの構築などを行うエキスパートであるSIerの共通基盤組織として、SIerの事業環境の向上と能力強化に取り組み、SIerを取り巻く関係者間の連携を促進させることにより、産業界における生産活動の高度化を推進し、我が国の産業の持続的発展と競争力の強化に寄与することを目的としている。
「人口減少社会」という局面を迎え、長期的な労働力不足は我が国における共通課題となっているなか、政府は2015年以降、「ロボット新戦略」を打ち出し、ロボット産業全般の強化を進めている。経済産業省と日本ロボット工業会は、2017年11月7日、「ロボットシステムインテグレータ(ロボットSIer)」の第1回設立準備総会を開くなど準備を進めた。発足当初は会員123社、協力会員21社、計144社で発足。その後、産業界の関心の高さもあり、2019年5月9日予定の理事会承認を含めれば合計207社に達する見込みだという。
■高まるロボットシステムインテグレータの重要性
ロボットの活用は、企業における人手不足への対応に加えて、作業員の過酷環境や危険作業からの解放など、さまざまな可能性を持っている。しかし産業用ロボットは、ロボット単体だけでは作業の自動化という目的を果たすことはできず、ロボットの先端にハンドを取り付け、動き方をプログラムし、センサや周辺設備と組み合わせた一連のシステムとして構築することで初めて機能する。
このようなロボットシステムを自社で構築するのが困難な企業にとって、様々な機械装置や部品などから必要なものを選別し、最適なロボットシステムを構築する業務を担う「ロボットシステムインテグレータ(ロボットSIer)」と呼ばれる事業者は、ロボットの導入を検討するうえで重要な存在と言われている。