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国際協力銀行(JBIC)、ベトナム・バンフォン1石炭火力発電事業に対するプロジェクトファイナンス

・ベトナムIPPプロジェクトへの日本企業による参画を支援

 国際協力銀行(JBIC)は、4月19日、住友商事が出資するベトナム法人Van Phong Power Company Limited(以下、VAN PHONG)との間で、同国バンフォン1石炭火力発電事業を対象として、融資金額約1,199百万米ドル(JBIC分)を限度とするプロジェクトファイナンス*1による貸付契約を締結したと発表した。

 融資は、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行、シンガポール法人Oversea-Chinese Banking Corporation Limited、シンガポール法人DBS Bank, Ltd.及び中国法人Bank of Chinaとの協調融資であり、協調融資総額は約1,998百万米ドル。民間金融機関の融資部分に対しては、日本貿易保険(NEXI)による保険が付される。

 プロジェクトは、VAN PHONGがベトナム南部カインホア省バンフォン地区において、発電容量1,320MW(660MW×2基)の超臨界圧石炭火力発電所を建設・所有・操業し、25年間に亘りベトナム国営電力公社(Vietnam Electricity:EVN)に対して売電するもの。

 融資は、日本企業が出資者として事業参画し、長期に亘り運営・管理に携わる海外インフラ事業を金融面から支援するものであり、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するもの。

 プロジェクトは、2017年6月6日及び2018年5月31日にそれぞれ発出された日越首脳共同声明においても、両国のエネルギー分野における協力強化のための具体的施策の一つとして位置付けられた。また、日本政府は、2018年6月に改訂した「インフラシステム輸出戦略」において、インフラの設計・建設・運営・管理を含むシステムの受注や現地での事業投資の拡大の推進を表明している。

 ベトナムでは、堅調な経済成長を背景に電力需要が急増する一方、必要な発電所建設が追いつかず、電力需給が逼迫している状況であり、電力不足解消は喫緊の課題になっている。

 ベトナム政府は、こうした状況を踏まえ、電力供給能力の拡充を国家の優先課題と位置付けており、自国資源の有効活用も踏まえた発電所の建設を推進し電源開発を迅速に進めるべく、2011年策定の第7次電源開発計画を2016年に改訂した。

 今回の案件は、同国における電力供給能力の拡充を盛り込んだ改定後の同計画に則ったもの。プロジェクトは、2020年代以降のベースロード電源として安定した電力供給を通じ、ベトナムの経済発展にも貢献することが期待される。

 JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じ、日本企業による海外インフラ事業展開を金融面から支援していく。

注釈:*1 プロジェクトファイナンスとは、プロジェクトに対する融資の返済原資を、そのプロジェクトの生み出すキャッシュフローに限定する融資スキームのこと。

 ニュースリリース

 

 

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