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三菱重工工作機械、歯車研削盤「ZE26C」をCIMT2019(中国・北京市)で初披露-中国市場を開拓

 三菱重工グループの三菱重工工作機械(本社:滋賀県栗東市)は4月11日、高精度な歯車製造システムの中国市場向け提案を強化すると発表した。その一環として、北京市で15日(月)から20日(土)まで開催される「CIMT 2019第16回中国国際工作機械展覧会」に、最終製品としての歯車の歯形形状誤差を1μmレベルに抑制できる歯車研削盤「ZE26C」(画像)の実機を中核とする一貫歯車製造システムを出展。自動車の電動化に伴う変速機構やロボット用減速機構などの高速・高精度化に向けたニーズに対応していく。なお、ZE26Cの実機を展示会でお披露目するのは、これが初めてとなる。

 ZE26Cは、最大外形260mmまでの焼き入れ後歯車を仕上げ加工するためのもので、これまで市場で好評を博してきた「ZE-B」シリーズを大幅改良することで高性能化した。具体的には、コラムやテーブル、砥石ヘッドなどの剛性を高めるとともに主軸構造も見直すことで、加工精度の向上と安定性を確保。また、高速加工に加え、非加工時間を従来機の約半分まで短縮することにより、量産能力が高まりランニングコストの低減をはかることができる。さらに、砥石幅を従来の125mmから最大160mmに拡張したことにより、交換頻度の削減や超仕上げ(ポリッシュ)砥石の同時装着にも対応できるようになり、より精度の高い加工を実現。加えて、業界初の水溶性クーラント採用(オプション仕様)により、環境配慮性と省エネ性も高めた。

 CIMT会場では、中国・常熟市(江蘇省)の工場「三菱重工(常熟)機械有限公司」で現地生産した切削油不要のドライカットホブ盤「GE25A」も実演展示する。新製品も含めた精密切削工具も展示し、歯車の粗加工(歯切り加工)から仕上げ加工、さらには対応する切削工具までパッケージでワンストップ提案できる三菱重工工作機械の強みを、実演加工によりアピールする。

 歯車の高精度仕上げや精密歯車の量産化に対する需要は、自動車の電動化へのシフト、静粛性や燃費性能の向上、および低コスト生産のなかで、世界的に高まってきている。加えて、近年は多様な高性能ロボットの開発活発化などに伴うロボット用減速機向けの需要も拡大。大市場の中国においても、高速・高精度仕上げが可能な歯車研削盤に対する関心が高まっている。今回の出展はこうした流れを受けたもの。

 三菱重工工作機械は、歯車加工装置の日本におけるシェアナンバーワン企業、歯車加工・製造技術についての先駆者として、歯車加工・製造に関する革新的な技術・装置の提供に力を注いでいく。

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