三菱ケミカルは3月29日、自動車の内装部材などに使用される熱可塑性エラストマー(※)について、インド国内に製造設備を新設すると発表した。このほど手続きを完了した、印 Welset Plast Extrusions社の塩ビコンパウンド事業買収(2018年6月21日付発表)により獲得した拠点に導入し、2019年度中に稼働開始する予定。(機能性樹脂部門の海外拠点)
三菱ケミカル機能性樹脂製品は、インドの自動車分野において用途展開を続けており、今後も堅調な伸びが期待されている。三菱ケミカルは現在、インドでは熱可塑性エラストマーを委託製造しているが、今回買収した塩ビコンパウンド事業に加え、熱可塑性エラストマーの製造設備を新設することにより、製品の供給体制を拡充し、旺盛な需要に対応していく。
三菱ケミカル機能性樹脂事業はこれまで積極的なM&Aや設備投資を進め、アジアパシフィック、欧州、北米地区など世界各地域において事業拡大しており、今般の買収により同事業のネットワークは16ケ国28拠点となる。三菱ケミカルは、今回買収した会社をアジアパシフィックにおける医療用塩ビコンパウンドの製造拠点と位置付け、加えて自動車用熱可塑性エラストマーの製造規模拡大により、一層のグローバル展開を加速していく。
※熱可塑性エラストマー:ゴムとプラスチックの特性を併せ持った素材。自動車の内装部材やペングリップなどに使用される。
<買収した会社の概要>
社名:MCPP India Private Limited(予定)
所在地:インド共和国ムンバイ(本社)、グルグラム(支店)、スィルヴァーサー(工場)
代表者:後藤 晴基
資本金:229,298,180ルピー[三菱ケミカル99.9%出資](約3.7億円)
業務内容:塩ビコンパウンド(メディカル用途、電線被覆用途)や熱可塑性エラストマー樹脂(自動車用途)の製造販売
従業員数:約150名(2019年3月1日現在)