エア・ウォーターは3月28日、グループ会社の東北エア・ウォーター(本社:宮城県仙台市)が、産業・医療用シリンダーガスビジネスの強化を目的として、岩手県紫波郡の同社敷地内に、シリンダー充填工場を建設すると発表した。同工場の運営は、東北地区における有力な産業・医療用ガスサプライヤーである東北酸素との共同事業であり、同社とエア・ウォーターグループとの緊密な協力関係のもと、地域に密着した事業展開を図っていく。
エア・ウォーターグループは、北海道から九州まで8つの地域事業会社を主体に、全国を網羅する営業拠点と生産ネットワークを活用し、積極的な事業展開を行っている。なかでも産業ガス・医療用ガス関連は、建設、溶接、金属加工などのものづくりのほか、食品、病院など幅広い業種に向けて供給を行うシリンダーガスビジネスを事業の中核に据え、地域に密着した営業活動を展開している。
また、エア・ウォーターでは、全国に高効率小型液化酸素・窒素製造プラント「VSU」を設置し、大規模災害時でも産業ガス・医療用ガスの安定供給が可能となる「VSU」ネットワークの構築を進めている。2018 年10 月には、全国で16 カ所目、北東北エリアでは初の「VSU」拠点となる岩手工場が稼働を開始した。
「VSU」は、顧客が立地する地域の近隣に設置することで、「安定供給」、「省エネ」、「CO2 排出量低減」を同時に実現した、エア・ウォーター独自の地域液化ガスプラントであり、各地域の有力な産業ガスサプライヤーとの合弁事業として運営することで、当該地域における産業ガスの安定供給をさらに盤石なものとしている。
新充填工場は、最新鋭の充填設備を導入することで、充填ロスの削減を図るとともに、容器移動にはパレット方式を採用することで作業の効率化を進めるほか、災害時におけるガスの安定供給にも対応できるよう、容器転倒防止対策を考慮した設備レイアウトとしている。
なお、新たに建設するシリンダー充填工場と合わせて、既設の岩手工場(「VSU プラント」)の運営については、エア・ウォーターグループと東北酸素グループとの合弁会社である岩手液酸が行う。東北酸素殿との協業により、地域に密着した事業展開を進め、安定供給ネットワークの拡充を図っていく。
<新充填工場概要>
建設地:岩手県紫波郡紫波町犬渕工業団地内
(エア・ウォーター岩手工場(VSU)、東北エア・ウォーター岩手支店敷地内)
生産品目:酸素、医療用酸素、窒素、医療用窒素、炭酸ガス
延床面積:約1,400㎡
スケジュール:着工2019年3月28日 完工予定2019年9月
運営会社:岩手液酸株式会社(2019年6月設立予定)
出資比率:エア・ウォーターグループ70%、東北酸素グループ30%