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東京計器、一般産業用油圧機器の不適切事象、再発防止策や役員報酬の減額、業績影響を発表

 東京計器は3月25日、「一般産業用油圧機器の一部製品における不適切な事象についての再発防止策の進捗報告と役員報酬の減額、及び業績に与える影響について」と題する報告書を発表した。~、以下は発表文。

 東京計器:2019年3月25日

 2018年12月25日にご報告しました「当社製一般産業用油圧機器の一部製品における不適切な事象についての調査報告と今後の対応について」において、事業年度が切り替わる2019年4月から恒久的な各種再発防止施策を適用できるよう推進する旨の報告をさせていただきましたが、その進捗状況及び本件が業績に与える影響について下記の通り報告いたします。また、これに併せて、今回関係各位に多大なるご迷惑をおかけした事態を重く受け止め、役員報酬を減額することといたしましたのでお知らせいたします。

 当社は、品質マネジメントの徹底に向け、引き続き再発防止策の確実な実施を進めるとともに、ステークホルダーの皆様の信頼回復に全力を挙げて取り組んでまいります。

 記

1.再発防止策の進捗状況について

(1)品質監査の強化について

  1. a) 2019年4月1日付の組織変更により、新たに品質管理を担当する執行役員を選任し、当社グループ全体の品質管理の統率を委嘱します。当面は当該執行役員が従前の本社監査スタッフによる検査品質監査を統率しますが、7月より新組織へ改編する予定です。また、当該執行役員の業務執行状況については、取締役会で適時適切に監督します。
  2. b) 油圧制御システムカンパニーにおいて今般問題となった製品に関して、緊急対策本部にて実施している検査業務全般における再発防止策の実施状況の確認作業については、上記の品質管理担当執行役員の統率による組織に移管します。

(2)組織体制の強化・変更について

  1. a) 2019年4月1日付の組織変更により、今般問題となった製品に係る業務を複数部署に分割させながらも全体として統制された組織体制とし、更に専任の管理者を配することにより相互牽制機能を伴った業務の効率化と管理体制の強化を図ります。具体的には、

 (ア)今般問題となった製品群の検査業務は品質保証部の所掌とすることで、品質よりコストや納期を優先する工程プレッシャーを排除するとともに、客先提出用完成図書作成作業の分業により業務の滞留を低減できるようにします。

 (イ)作業計画及び納期管理を生産管理部署に移管し、現場作業の負荷軽減を図るとともに、各検査作業時間管理及び工程の変更等を厳格に行えるようにします。

 (ウ)製品毎にお客さまからの購入仕様書と当社作成の検査要領書等の関連文書を紐付け管理できるようにします。これにより、お客さまから指定された検査仕様等を技術管理部署及び品質保証部署が遅滞なく確認できるようにし、お客さまと約束した検査が漏れなく確実に実施されるような体制とします。

  1. b) 今般問題となった製品に係る検査業務で必要な各種資格や技能認定制度の再確認を行い、そのための教育や登録者の更新処理等の力量管理を適切に行えるように品質マニュアルを改定しました。
  2. c) 検査作業を行う上で必要となる各種資料や業務フローの整備により「業務の見える化」を行い、担当者の独自管理もしくは明文化されていない非定常業務を極力排除しました。これにより、担当業務の属人化を排し、業務の共有化を可能としました。

 なお、検査作業及びその記録にかかる電子化については、一部の検査作業で実施しているものの、現状での検査作業の性格上、電子化できる範囲が限定されております。本件については継続して改善していく予定です。

(3) 検査担当者及び管理・監督者らの規範意識の向上に向けた研修教育の見直しと徹底について

 次に示す再発防止策につきましては、先行して油圧制御システムカンパニーにて実施し、その結果を基に要すれば改良して他のカンパニー、子会社への水平展開を図っていく予定です。

  1. a) 毎年4月に実施している行動規範(倫理行動基準)の教育研修について、油圧制御システムカンパニーについては、具体的な事例や油圧機器事業に即した話題を取り上げるなど身近な内容のものとして実施します。また、理解度の確認のための試験等を導入し、教育の成果をより定量的に捉えられるように改善します。なお、管理職への当該教育は通常eラーニング形式で行っていましたが、座学形式での実施も併用し、管理者として具備すべき能動的な心構え・姿勢を含めて、教育講師と受講者の対話形式で教育します。
  2. b) 職制による問題のエスカレーションと内部通報制度を補完する仕組みとして、油圧制御システムカンパニーの品質保証部に品質問題に関する報告窓口(品質管理内部ヘルプライン)を4月より運用します。本ヘルプラインは当該カンパニーの品質マニュアルで規定しています。

2.役員報酬の減額の内容

 代表取締役 取締役社長 安藤 毅 月額報酬の30%を減額

 代表取締役 専務取締役 執行役員 ものづくり革新担当 山田 秀光 月額報酬の30%を減額

 代表取締役 常務取締役 執行役員 資材担当 財務経理部長 厚見 幸利 月額報酬の10%を減額

 ※減額の期間:2019 年3月から1ヵ月間

 なお、執行役員 油圧制御システムカンパニー長 手塚秀利につきましては、社内規程に則り減給処分といたしました。

3.業績への影響

 現時点で今回の不適切な事象の2019 年3月期の業績に与える影響は軽微であると考えており、営業費用として計上する予定であります。なお、過年度の決算に与える影響はございません。

 ニュースリリース

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