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日本製紙、約115億円投じ紙容器原紙事業の米子会社で設備増強

・連結子会社(日本ダイナウェーブパッケージング)の収益力を強化

 日本製紙は3月14日、連結子会社である米国・液体用紙容器原紙事業会社「Nippon Dynawave Packaging Company, LLC」(以下、日本ダイナウェーブパッケージング)において、設備工事を実施し、パルプの増産・拡販と原紙の品質向上、生産効率改善により、収益力強化を図っていくと発表した。

 日本製紙は事業構造転換の推進においてパッケージ事業を成長分野の一つと位置付け、プラスチック減量化の流れを追い風にバリューチェーンの拡大に注力している。その一環として2016年8月末に米国ウェアーハウザー社(正式名称:Weyerhaeser Company、本社:米国ワシントン州)から買収した日本ダイナウェーブパッケージングは、液体用紙容器原紙製造のリーディング・カンパニーとしてグローバルに製品を供給するとともに、紙パック事業を含む日本製紙のパッケージング部門においても原紙サプライヤーとして重要な役割を担っている。

 今回、日本ダイナウェーブパッケージングは世界の堅調なパルプ需要を背景に、かねてより課題だったパルプの余剰生産能力の有効活用策として、パルプを乾燥させて漉き取る設備(ドライパルプマシン)を新設し、「DYNAKRAFT(TM)」の商標で、これまで近隣地域に限定されていた販売先をグローバルに拡げ、収益力の強化を図ることにした。併せて、原紙の抄紙機ドライエンド工程のアップグレードにより、原紙についても印刷適性をはじめとする品質向上と生産効率の改善を目指す。

<工事概要>

金額:総額約115億円

 [1]ドライパルプマシン新設 約72億円

 [2]抄紙機ドライエンド工程の改造 約43億円

稼働時期:2020年5月(予定)

<日本ダイナウェーブパッケージングの概要>

名称:Nippon Dynawave Packaging Company, LLC

所在地:3401 Industrial Way, Longview, WA 98632 USA

代表者の役職・氏名:代表取締役社長 J. Carpenter

事業内容:牛乳・ジュース等向け紙容器の原紙、カップ容器用の原紙等の製造・加工・販売

資本金:2,000千USドル

設立年:2016年

大株主及び持株比率:日本製紙 100%

主要設備:パルプ生産設備1基、原紙マシン1台、加工機(ラミネーター)2台

 日本ダイナウェーブパッケージングは、トータルシステムサプライヤーを標榜する日本製紙の紙パック事業を原紙供給面で支えるとともに、近年、「紙」素材への包装材料シフトが世界的な潮流となりつつある中で、プラスチック製トレイの代替となる堆肥化可能(コンポスタブル)な紙器用原紙など新製品開発にも積極的に取り組んでいる。

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