中国では環境問題およびCO2排出削減の面から電気炉への関心が高まっており、本渓鋼鉄も環境対応や生産効率の向上のため、新電気炉の導入を行うもの。設備選定に際しては、国営企業への納入となることから日欧3社による国際入札となり、入札を評価・監督する第3者機関が(1)スチールプランテックの「ECOARC(TM)」設備の高効率のスクラップ予熱技術等により電力や黒鉛電極の使用量を大幅に低減する経済面、(2)密閉構造による環境面での優位性、(3)稼働実績設備の多さとその操業安定性、を高く評価し、採用に至った。
2月19日に行われた本渓鋼鉄との契約調印式では、その親会社である本鋼集団・張副総経理が「ECOARC(TM)」の技術の先進性、成熟性についての評価に言及するとともに、孟子の言葉を引用して「「天の時、地の利より人の和が優る」をもってプロジェクトを成功させたい」との期待を述べた。
また調印式には中国金属学会(CSM)のメンバーも参加し、「本渓鋼鉄の操業技術や生産ノウハウとスチールプランテックの先進設備技術を融合してプロジェクトを成功に導き、中国の鉄鋼業界におけるモデルプロジェクトとするように」との祝辞を述べた。
スチールプランテックの灘信之長は各祝辞に応え「客先とCSM、コンソーシアムを組む中国重型機械研究院の日中エンジニアリング力、操業技術を結集し、第一号プロジェクトを成功させ、多くの「ECOARC(TM)」を建設し中国鉄鋼業の発展に寄与したい」との決意を表明した。
同プロジェクトのユーザーとなる本渓鋼鉄は1905年の設立以来、長い歴史を持ち、省エネ、排出削減に向けてたえず企業変革、先進技術の導入を進めている。また線材、鉄筋、パイプ用鋼、各特殊鋼、熱延鋼板、冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、ステンレス等60以上の製品、7,500以上の規格をカバーする中国鉄鋼業界における中核企業。スチールプランテックは、2006年に自動車鋼板用連続焼鈍ライン(CAL)を納入している。
スチールプランテックはこれまで日本国内外に計7基の「ECOARC(TM)」設備を納入している。今後もこうした独自技術製品の供給や先進技術の開発を通じて顧客や社会のニーズに応えるとともに、世界の鉄鋼業や地域社会の発展、地球環境の保全に貢献していく。