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栗田工業、米国の水処理薬品・装置の製造・販売会社 U.S. Water Services, Incを買収

・世界4極体制の確立に向けて、北米での事業展開を加速

 栗田工業は2月8日、米国の水処理薬品および装置の製造・販売会社であるU.S. Water Services, Inc.(本社:米国ミネソタ州、以下「U.S. Water社」)を買収することを決定したと発表した。買収価格は270百万USドル(約294億円)で、同社の完全親会社であるGlobal Water Services Holding Company, Inc.(本社:米国デラウェア州、以下「GWS社」)の発行済株式の全てを、栗田工業の子会社であるKurita America Holdings Inc.(本社:米国デラウェア州)を通じて取得する株式譲渡契約をGWS社の株主であるALLETE Enterprises, Inc.(本社:米国ミネソタ州)との間で締結した。なお、買収は、米国規制当局の審査を経て完了となる。

 栗田工業グループは、日本、アジア、欧州、北南米の世界4極体制の確立により、グローバルな事業拡大を目指しており、今回の買収は戦略市場である北米での事業強化の一環として実施するもの。米国における事業基盤を拡充して市場競争力を強化するとともに、水処理薬品・装置・メンテナンスサービスによる総合ソリューションの展開を拡大することで、米国での事業成長スピードを一気に加速していくことを目指す。

 1997年に創業したU.S. Water社は、米国ミネソタ州に本社を置き、米国中西部を中心に全米各地域に製造・販売拠点を有している。同社の顧客数は約5,000社にのぼり、食品・飲料をはじめ、石油ガス、バイオエタノール精製、電力、軽工業、商業/公共施設など幅広い分野で米国優良企業との強固な関係を確立しており、各種水処理薬品と装置/エンジニアリングを組み合わせて節水や省エネルギーに寄与するソリューションを提供している。この顧客基盤や販売網に、栗田工業グループの競争優位性の高い商品や、純水供給、排水回収など独自性の強いサービスを投入し、IT・センシングを駆使したサービス契約型のビジネスモデルを展開することで、顧客親密性のさらなる向上はもとより、U.S. Water社の事業と融合した総合ソリューションの創出や新市場開拓が期待できる。

 世界4極体制の確立に向けて、栗田工業グループは既に日本およびアジア、欧州各地域で高いプレゼンスを有しているが、今回の買収により、米国における栗田工業グループの売上高は現在の約4倍まで拡大する見込み。今後は、水処理薬品・装置事業を展開している既存の事業会社(Kurita America, Inc.:本社テキサス州、Fremont Industries, LLC:本社ミネソタ州)との協働により、販売・生産体制の強化や技術ラインアップの拡充を図り、米国全土での事業展開を加速することで、持続的成長を実現するための収益基盤を確立していく。

 クリタグループは水処理のグローバル・リーディングカンパニーとしてさらなる飛躍を遂げていくために、世界各地域で事業ポートフォリオの最適化や事業基盤の強化を図るとともに、M&Aや戦略的パートナーとの提携等を通じて成長機会を拡大し、新たな価値を創出する総合ソリューションを顧客に提供していく。

<U.S. Water社の概要>

社名:U.S. Water Services, Inc.

設立:1997年6月

本社所在地:米国ミネソタ州

資本金および資本剰余金:193百万USドル

売上高:172百万USドル(2018年12月期)

事業内容:水処理薬品および装置の製造・販売

従業員数:約500名

<GWS社の概要>

社名:Global Water Services Holding Company, Inc.

設立:2015年1月

本社所在地:米国デラウェア州

資本金および資本剰余金:193百万USドル

事業内容:U.S. Water社の株式の保有

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