・日本企業によるアルミニウム製錬所関連設備の輸出を機動的に支援
国際協力銀行(JBIC)は1月22日、バーレーン王国法人Aluminium Bahrain B.S.C.(以下、Alba)との間で、融資金額45百万ユーロ(JBIC分)を限度とする輸出クレジットライン(*1)設定のための一般協定書を締結したと発表した(*2)。このクレジットラインは、BNPパリバ銀行東京支店(幹事行)との協調融資によるもので、同行融資部分には日本貿易保険(NEXI)による保険が付保される。協調融資総額は90百万ユーロ。
この案件は、中東地域で最大級のアルミニウム製錬会社であるAlbaがアルミニウム製錬所拡張を実施するにあたって、富士電機と住友商事から設備一式を購入するために必要な資金を融資するもの。富士電機からはアルミニウムの製錬工程の電源供給に必要な世界最大の整流器及び付帯設備、住友商事からは製錬工程で使用するSECカーボン製炭素陰極を納入する。
バーレーンは、石油資源に依存しない国づくりに必要な産業の多角化を図るべく、石油産業以外の製造業発展による経済成長を目指している。同国の中長期的な政策方針である「Economic Vision 2030」(2008年策定)では製造業発展の方針を表明し、また、同国政府機関であるバーレーン経済開発委員会(Bahrain Economic Development Board)は経済成長に向けた施策としてアルミニウム下流産業の発展に取り組むことを表明している。今回の案件は、バーレーンのこうした政策に合致すると共に、日本製機械・設備等の更なる輸出拡大を促進することで、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するもの。
JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じて、日本企業の機械・設備等の輸出や海外事業展開を金融面から支援していく。
注釈
*1 輸出クレジットラインは、輸出金融の一形態であり、日本からの機械・設備等の輸出を促進するため、あらかじめ一定金額の融資枠を設けておくもの。
*2 この一般協定書は2018年10月31日に調印済みだが、22日にプレスリリースしたもの。