プライメタルズテクノロジーズ(以下PT社)は1月17日、中国の鉄鋼メーカー、成都市長峰鋼鉄集団有限公司(Chengdu Changfeng Steel Group Co., Ltd. : 長峰鋼鉄)から、四川省都江堰市の同社製鉄所向けに新型電気炉EAF Quantum とツインレードル炉を受注したと発表した。
新型電気炉EAF Quantumはさまざまな組成や品質のスクラップ鋼を処理できるよう設計されている。スクラップの余熱により、電気炉の消費電力は大幅に低減され、操業コストおよびCO2 排出が削減可能。ツインレードル炉は、生産対象鋼種に対する鋳造温度を設定どおり正確に制御する。この新型電気炉は2020 年初めに稼働開始予定で、中国向けのEAF Quantum としては9 基目となる。
長峰鋼鉄は四川省成都市を本拠地とする国営の中堅企業で、3 つの鉄鋼部門に加え、酸素製造会社と機械製造加工会社をそれぞれ一社運営している。PTは、自動スクラップヤード管理機能、自動装入プロセス、自動ランス酸素吹き込み装置および砂充填処理を含む新型電気炉EAF Quantum とツインレードル炉の機械・電気処理装置全般に加えて、インダストリー4.0(Industry 4.0)に対応するレベル2 オートメーションを納入する。
PT社が開発した新型電気炉EAF Quantum は、実績あるシャフト炉技術と革新的なスクラップ装入プロセス、高効率予熱システム、新しい傾動方式を持つ下部容器、最適化された溶解システムを装備し、出鋼間隔の大幅な短縮を実現する。従来の電気炉に比べ消費電力が大幅に低減され、電極と酸素の消費量低減もあいまって、全体で約20%の処理コストの低減ができる。全体のCO2 排出量も従来の電気炉と比べて、粗鋼1 トン当たり最大30%削減される。最新の自動排ガス制御を備えた総合除塵システムは、環境要求事項のすべてを満たしている。