安川電機は、前年度より事業年度の末日を従来の3月20日から2月末日に変更したことにより、比較対象となる前第3四半期連結累計期間(2017年3月21日から12月20日まで)の期間が異なるため、経営成績の概況における前年同期比増減については記載が省かれている。
第3四半期における安川電機グループの業績は、中国を中心に減速感が増す中、グローバルで自動車関連の需要を的確に捉えるなど、総じて底堅く推移した結果、売上高および利益は第3四半期連結累計期間において過去最高となった。
■取り巻く経営環境
米 国:米中貿易摩擦による生産活動や消費への影響が懸念されたものの、着実な経済成長を背景に、工作機械などの需要は底堅く推移した。また、オイル・ガス関連の需要も堅調に推移した。
欧 州:自動車関連の設備投資が堅調に推移したことに加え、大型風力発電などの環境エネルギー分野の投資が積極的に行われた。
中 国: EV関連などの成長市場が堅調に推移した一方、前年好調だったスマートフォン関連の需要が落ち込んだ。また、米中貿易摩擦の影響により製造業全般で設備投資を抑制する動きがみられた。
中国除くアジア:韓国を中心に半導体や有機EL関連の需要が弱含んだものの、自動車関連やインフラ関連の設備投資は堅調に推移した
■セグメント別状況
売上高 1,617億77百万円、営業損益 292億95百万円。モーションコントロールセグメントは、ACサーボモータ・コントローラ事業とインバータ事業で構成。インバータ事業はグローバルで売上が堅調に推移したものの、ACサーボモータ・コントローラ事業の販売が中国・アジアを中心に減速したことから、セグメント全体の業績は伸び悩んだ。
〔ACサーボモータ・コントローラ事業〕 製造業での生産設備の高度化・自動化が需要をけん引したものの、中国を中心に米中貿易摩擦の影響がみられたほか、半導体関連の設備投資が弱含んだことから、売上高・営業利益ともに伸び悩んだ。
〔インバータ事業〕 日本においてインフラ関連需要が増加したことに加え、米国におけるオイル・ガス関連の需要が底堅く推移したことから、グローバルで販売は堅調に推移した
<ロボット>
売上高 1,318億17百万円、営業損益 136億4百万円。国内外からの旺盛な需要を受け、売上高・営業利益ともに好調に推移した。溶接・塗装ロボットなど自動車関連向けの販売は、グローバルで高水準に推移した。特に欧州市場の売上が大幅に伸長した。一般産業分野については、前年好調だったスマートフォン関連の需要が落ち込んだ影響により、売上は伸び悩んだ。
<システムエンジニアリング>
売上高 421億40百万円、営業損益△2億51百万円。売上高は底堅く推移し、営業損益は環境エネルギー関連の再編を通じた経費削減などにより改善した。鉄鋼プラントシステム・社会システム分野の売上は、堅調に推移した。環境・エネルギー分野では、米国市場における太陽光発電用パワーコンディショナ関連の販売が伸び悩んだ一方、大型風力発電関連の案件を継続して獲得し、欧州で売上は大幅に伸長した。
<その他>
売上高 255億85百万円、営業損益4億27百万円。その他セグメントは、情報関連事業や物流サービス事業などで構成されている。子会社の再編や新規連結化、およびEV関連の量産立ち上げによる一時的な影響により、売上高・営業利益は堅調に推移した。
■2019年2月期の業績見通しは下方修正
2019年2月期(2018年3月1日~2019年2月28日)の連結業績予想について、第3四半期連結累計期間の実績および主要セグメントにおける受注動向等を踏まえ、2018年10月10日に公表した予想値を以下のとおり修正した。売上高4,820億円(前回予想4,980億円)、営業利益530億円(同590億円)、経常利益544億円(同600億円)、親会社株主に帰属する当期純利益455億円(同470億円)となる見通し。
なお、2018年12月1日から2019年2月28日までの期間における為替レートは、平均110円/ドル、平均125円/ユーロ、平均16.00円/元、平均0.100円/ウォンを想定している。