持株会社化と継続的な改革について
当初に設計した制度に執着せず、事業環境の変化の速さへの対応ができる組織に生まれ変わるための改革を継続的に続けていかねばなりません。
厳しい経営環境への直視と対応
我々の置かれている環境は非常に厳しいものです。しっかりした基盤を再構築するためには、「身の丈を知る」ことが必要です。経営に大きな損失をもたらした事業には、現実を見ない無理な計画を展開した側面があります。これを一部の事業の失敗として片付けるのではなく、現状の我々の中に潜む問題が顕在化したものとして自覚すべきです。
グローバル化したマーケットで我々に利益をもたらしてくれるのは、プロのお客様です。プロのお客様は、厳しいスペックを多岐にわたり細かく求めて来ます。我々は、その要求を漏れなく読み取り、それに応えなければなりません。それができなければ、生き残ることはできません。真の利益は、プロ同士の真剣勝負の中から生まれるのではないかと思います。
安全衛生とコンプライアンス
安全衛生は、ものづくり企業であり続けるための最優先事であり「安全第一・健康第一」に、積極的なコミュニケーションを図ってください。
コンプライアンスは、優良企業であるための必須条件です。しかし、昨今の日本メーカーではその必須条件がぐらついているように感じられます。これは決して他社の事ではなく、我々も常に不正への誘惑にさらされていると感じるべきです。社会で信頼される企業であり続けるために、違法、不正なことは行わず、正しい倫理観に即して行動することを、常に肝に銘じて欲しいと思います。
結びに
改革の兆しも少しずつ見え始めています。他造船所との合弁事業による海外建造の試み、新型省エネ船型やLNG燃料推進システムの受注、バイオマス発電所の建設から保守・運転に至るサービス提供、さらには新規顧客を対象としたFPSOの受注など、どれも組織の壁を越え、社会のニーズに応えようとする動きです。
今年を、グループの事業基盤を再構築し、飛躍に向かって力を溜める年と位置付け、力強く前進できればと願っています。グループ全員が一丸となって、しっかりと前を向き、ありたい未来に向かって歩き続けましょう。
*年頭にあたり、グループ従業員に向けた新年挨拶の要旨。