・ノウハウを駆使し、FSRUを用いたGas-to-Powerプロジェクトとしてはアジア初の案件受注
㈱商船三井は12月7日、インドネシアにおけるジャワ1ガス焚き複合火力発電プロジェクトに関し、PT Pertamina(Persero)(本社:インドネシア・ジャカルタ、以下、Pertamina)、丸紅、双日等と共同出資するPT Jawa Satu Regas社(以下、JSR)を通じて、浮体式LNG貯蔵・再ガス化設備(以下、FSRU)(*1)1隻の造船契約、FSRUサービス契約、ならびに融資契約を締結したと発表した。商船三井はFSRUの建造監督業務、および保守・操業業務を受託する。
受注したプロジェクトは、Pertamina、丸紅、双日が共同出資するPT Jawa Satu Power社(以下、JSP)がインドネシア・西ジャワ州において発電容量1,760MWの大型ガス焚き複合火力発電所を建設・所有・操業すると共に、JSRが洋上で発電用燃料となるLNGを貯蔵・再ガス化するためのFSRUを建造・所有・操業し、25年間に亘り一体で保守・運転し、インドネシア国有電力会社 PT.PLN(Persero)(以下、PT.PLN)に対して売電する計画。
発電施設とガス関連施設を一体として開発する、いわゆるGas-to-PowerプロジェクトとしてはFSRUを用いたアジア初の成立案件であり、同プロジェクトの発電容量に合わせ、最適なタンク容量や再ガス化能力を備えたFSRUをプロジェクトに提供する。
プロジェクトにおける融資は、国際協力銀行、アジア開発銀行、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、オーバーシー・チャイニーズ銀行、クレディ・アグリコル銀行、ソシエテ・ジェネラル銀行による協調融資を行うプロジェクトファイナンス(*2)で、民間金融機関の融資には日本貿易保険による保険を付保する。
商船三井は、これまで蓄積してきたLNG船・FSRU事業の実績・経験を基に同プロジェクトを通して、インドネシアにおける電力の安定供給に貢献すると共に、LNGの多様な調達を指向する顧客のニーズに沿ったFSRU事業を推進していく。
(*1)Floating Storage and Regasification Unitの略。浮体式LNG貯蔵再ガス化設備。洋上でLNGを再気化し、陸上パイプラインへ高圧ガスを送出する能力を持つ。
(*2)プロジェクトから生み出されるキャッシュ・フローを主な返済原資とする資金調達方法
<ジャワ1ガス焚き複合火力発電プロジェクト概要>
所在地:インドネシア西ジャワ州チラマヤ(ジャカルタの東方約100km)
発電容量:1,760MW
運転開始:2021年12月(予定)
売電先:PT.PLN
売電期間:25年間
<FSRU概要>
全長:292.5メートル
全幅:43.4メートル
LNG貯蔵能力:170,000立方メートル
再ガス払出能力:300百万立方フィート/日
造船所:三星重工業株式会社(韓国)