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東レ、マレーシア子会社でABS樹脂の生産能力を増強-年産75,000トンの生産設備を増設

 東レは12月6日、Toray Plastics (Malaysia)Sdn.Berhad(本社:マレーシア・ペナン州、以下、TPM)で製造・販売するABS樹脂トヨラック(R)の生産能力増強を決定したと発表した。世界シェアナンバーワンの地位を確立している透明グレードの拡販に向けて、年産75,000トンの生産設備を増設し、2020年11月の稼働開始を目指す。これにより、TPMの生産能力は年産425,000トンとなり、既存の東レ千葉工場とあわせてグループ全体の生産能力は年産497,000トンまで拡大する。

 ABS樹脂は、アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンからなり、軽さ・強さ・美しさを合わせ持つ加工性に優れたプラスチックで、工業用品から家庭用品まで非常に幅広い用途に使用されている。2017年のABS樹脂全体の世界需要は850万トンで、中国やアセアン、新興国の需要増により、年率3%の安定成長が見込まれる。特に、透明ABS樹脂や、耐熱性や耐薬品性などの機能が付与された高機能ABS樹脂の世界需要は200万トンと推定され、家電・OA・自動車・玩具など幅広い用途における高機能化要求の高まりにより、年率4%以上の成長が予測される。

 東レはABS樹脂の拡大する需要を確実に取り込むために、独自の連続重合生産プロセスによるコスト競争力の高さや品質安定性から、世界シェアナンバーワンの地位を確立しているトヨラック(R)透明グレードの生産能力の増強を決めた。

 東レグループのABS樹脂トヨラックは、トヨラック(R)汎用グレード、トヨラック(R)透明グレード、制電グレード、耐薬品性向上グレード、耐傷性向上グレード等のトヨラック(R)高機能グレードを取り揃えている。マザー工場である千葉工場では、医療用透明ABS樹脂などの一層の高機能ABS樹脂主体の品種構成へシフトするとともに、今回のマレーシアでの増強により、主な販売先である中国、アセアン市場に加えて、欧米やインド市場への参入と用途拡大を加速していく。

 東レは、中期経営課題“プロジェクトAP-G2019″の基本戦略の一つとして「グローバル事業の拡大と高度化」を推進している。今後も日本国内のABS樹脂生産拠点である千葉工場とマレーシア生産拠点であるTPMの有機的な連携をさらに強化し、グローバルな事業拡大を強力に推進していく。

<Toray Plastics(Malaysia)Sdn.Berhad(TPM)概要>

会社名:Toray Plastics(Malaysia)Sdn.Berhad

事業内容:ABS樹脂の製造・販売 およびPBT樹脂等の販売

本社所在地:マレーシア・ペナン州

設立:1990年7月

代表者(社長):大村昭洋

 ニュースリリース

 

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