・変電所改修により最大都市ラゴスの電力供給の安定化に貢献
国際協力機構(JICA)は11月26日、23日にナイジェリア連邦共和国政府との間で「ラゴス変電設備緊急復旧・増強計画」を対象として23億4,900万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結したと発表した。
この事業は、同国最大都市であるラゴス市(人口約900万人、2006年国勢調査)を抱えるラゴス州に位置するアパパロード変電所の復旧・増強を図るもの。これにより、ラゴス州の電力供給の安定化および持続的な経済・社会発展の促進に寄与する。
この事業で対象となるアパパロード変電所は、ナイジェリアの総輸入量の約40%の貨物を扱う同国最大港湾であるラゴス港を含む港湾施設や周辺産業地域および一般家庭に電力を供給している。
ラゴス港では、船舶の安全航行用夜間照明や冷凍設備、クレーン機材等を稼働させるために、安定的な電力供給が必要だが、同変電所の変電容量はその電力需要に追いついていない。また、設備の老朽化や維持管理不足、送電系統の脆弱さ等により周辺産業地域の商業施設や一般家庭でも停電が頻発しており、経済活動や市民生活への影響が大きくなっている。そのため、同変電所の老朽化した設備を更新するとともに、送電系統を増強することが急務となっている。
同事業により、配電先需要家1軒あたりの停電時間が年間800時間以上減少すると見込まれており、これにより、経済活動の活性化や市民生活の改善に寄与することが期待される。