㈱明電舎は11月21日、2018年10月にシーメンス社から、中国の石油化学工場向けの排水処理用セラミック平膜を受注していたことを発表した。これは、2016年12月にシーメンス社の新技術であるPACT(R) MBR(Powdered Activated Carbon Treatment Membrane Bioreactor)システムに明電舎製のセラミック平膜が採用されることが決まって以来、初めての製品受注となる。
PACT(R) MBRシステムに採用されたセラミック平膜とは、汚水や排水の浄化に活用されるセラミック製のろ過フィルター。PACT(R) MBRシステムは、活性炭、生物処理、膜ろ過を組み合わせた非常にコンパクトな新しい排水処理システムで、セラミック平膜が採用された理由は、従来のMBRシステムで利用されてきた有機膜などに比べ、長寿命で耐摩耗性があるため。
シーメンス社のPACT(R)技術は、40年間の歴史と100ヵ所以上の納入実績があり、MBRと組み合わせた新技術に採用されたことは、何よりもセラミック平膜の特長と信頼性が高く評価された証と言える。
今回セラミック平膜を納めるPACT(R) MBRシステムは、中国の石油化学メーカーである天津渤化化工発展有限公司に納入され、製造工程排水の処理に活用される。
セラミック平膜を活用した水処理事業は、国連の掲げる世界共通目標であるSDGs(持続可能な開発目標)において、Goal6「安全な水とトイレを世界に」やGoal14「海の豊かさを守ろう」などの課題を解決することに貢献する。明電舎は、今後も社会に貢献するものづくりを追求し、持続可能な価値創造を実現するとともに、SDGsを含めた社会的課題の解決へ取り組んでいく。
■PACT(R) MBRとは
シーメンス社が新たに開発した、主に石油精製及び石油化学プラントの排水処理に使用されるPACT(R)技術とMBRを組み合わせたシステム。PACT(R)技術とは粉末活性炭処理で、MBRとは膜分離活性汚泥法。PACT(R) MBRシステムの特長は、従来の水処理システムに比べて、設置するのに必要な面積を最大約50%縮小し、さらに粉末活性炭を使用することで汚水の処理効率も高くなっている。この粉末活性炭を使用しつつ、長期間の使用に耐えられる膜としてセラミック平膜が採用された。