国内では、堅調な設備投資需要を背景に全事業・全部門で前年同期を上回り、売上収益は663億64百万円(同10.3%増)となった。海外では、全ての地域で好調に推移し、特に欧米における板金部門の販売拡大が奏功したため、売上収益は882億20百万円(同14.9%増)となった。
損益面については、営業利益は203億43百万円(同14.2%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は162億46百万円(同20.1%増)といずれも増益となり、四半期利益については過去最高となった。
*アマダHDは第1四半期より、従来の日本基準に替えて国際財務報告基準(IFRS)を適用しており、前年同期及び前年度の数値もIFRSに組み替えて比較分析を行っている。
このような経営環境のもと、アマダグループでは2021年度を最終年度とする中期経営計画「Task321」を策定しており、その達成に向けて邁進している。この「Task321」の実現に向けて、積極的な戦略投資を実施し、販売ネットワークの拡大や新たなビジネスモデルの確立による成長戦略の実行、開発・製造一体となったモノづくり改革の推進やIoTを活用したサプライチェーン・マネジメント(SCM)構築による、さらなる収益性と効率性の向上を目指している。併せてバランスシート改革による資本生産性の向上にも取り組んでいる。
■事業別の概況
<金属加工機械事業>
板金部門では、主力のファイバーレーザ商品の販売が引き続き好調に推移した。特にグローバル戦略商品であるENSISシリーズの販売が伸長し、レーザ商品に占めるファイバーレーザ商品比率が順調に高まっている。併せて、ファイバーレーザ商品に取り付けることで、同商品の高速加工・高効率の利点を最大限に引き出せる自動化周辺装置の販売も国内外で拡大した。また、自動化・省力化に対応したベンディング自動化商品の販売も引き続き国内外で拡大したことで、売上収益は1,125億12百万円(同12.4%増)となった。
微細溶接部門では、新エネルギー車市場の拡大が顕著な国内や中国において抵抗溶接機器の販売が増加し、また韓国でレーザ溶接機の販売が好調であったことにより、売上収益は147億60百万円(同13.4%増)となった。
<金属工作機械事業>
金属工作機械事業の受注高は296億17百万円(同12.1%増)、売上収益は267億74百万円(同16.1%増)、営業利益は38億28百万円(同14.9%増)といずれも前年同期に比べ増加した。
切削部門では、国内では堅調な建設投資を背景に鉄構加工マシンの販売が伸長し、海外でも北米・欧州を中心に切削マシンの販売が好調に推移した。また、国内外で消耗品である鋸刃(ブレード)の販売も堅調に推移し、特に北米における超硬ブレード販売の増加が増収に寄与した。
プレス部門では、国内の自動車部品関連需要が好調に推移する環境下で、中型プレス機を複数台接続するタンデム運用によるフレキシブル生産の提案を推進し、販売が拡大した。また研削盤部門においても、主力のプロファイル研削盤の販売が国内及び中国を含むアジアにおいて堅調に推移した。
■地域別の状況
<日 本> 国内では、板金部門においてはサッシや空調機器、鋼材・鉄骨などの建築関連向けや医療用機器向けの販売が好調に推移した。また、微細溶接部門においても新エネルギー車用モーター、電装品等の自動車関連や半導体関連向けを中心に販売が拡大したことで、売上収益は663億64百万円(前年同期比10.3%増)となった。
<北 米> 米国では、政策の効果もあり幅広い業種において販売が拡大した。また、製造現場での熟練工不足を背景に自動化設備需要が高まり、自動化ビジネスが好調に推移した。カナダでは、足元で農業用機械や建設機械、空調機器などの建築関連向けの販売が堅調に推移したことで、売上収益は299億33百万円(同16.0%増)となった。
<欧 州> 欧州では、ブレグジットをめぐる政情不安の影響でイギリスでは設備投資の低迷が目立つものの、他の主要国においては、イタリアでは農業用機械向けの販売が、フランス・ドイツでは建築関連向けや産業機械向けの販売が好調に推移し、売上収益は292億98百万円(同18.0%増)となった。
<アジア他> 中国では微細溶接部門において自動車関連向け、電気・電子部品向けの販売が伸長した。また、インドでは、板金部門において鉄道や建築などのインフラ関連向けの販売が好調に推移した。
韓国では板金部門において半導体製造設備向け、微細溶接部門においてリチウムイオン電池関連向けの販売が貢献し、売上収益は289億88百万円(同10.9%増)となった。
■2019年3月期の見通し
4~9月期の業績において、各事業の販売が国内外で好調に推移したことや、足元の受注が堅調であること及びM&Aによる連結加入効果を加味したことにより、5月10日に公表した業績予想値を下記のとおり修正した。
売上収益3,300億円(前期比9.4%増)、営業利益430億円(同8,2%増)親会社の所有者に帰属する当期利益310億円(同14.4%増)。
なお、通期予想の前提となる為替レートは、1米ドル=107.64円、1ユーロ=127.42円。